絵本の紹介「おつきさまこんばんは」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

昨夜は本当に見事な満月でしたね。

今回は「おつきさまこんばんは」を紹介します。

作・絵:林明子

出版社:福音館書店

発行日:1986年6月20日

 

0歳から読み聞かせられる絵本として人気があります。

古来より、月は幻想的な力の象徴でした。

人の心の眠った部分を揺り動かす、月にはそんな魔力が宿っているのかもしれません。

 

ことに幼い子どもは、夜空に煌々と浮かび上がるお月様を見上げると、もうそれだけで空想の世界へ旅立てるようです。

 

絵本の内容は、人の顔に見えるお月様を相手に、いろいろと話しかけるというもの。

このお月様の表情豊かなこと。

 

ただし、お月様自身は何も喋りません。

話しかけているのが誰なのかも、はっきりとはわかりません。

 

屋根に上った二匹の猫なのか、最後のページに登場する親子連れなのか、それとも絵本を読んでいる自分自身なのか。

お月様以外はシルエットで描かれているところも、幻想的な効果を引き出しています。

 

すべての場面が同じ視座で描かれているのですが、それによって場面ごとの動きや変化がよく見て取れます。

この絵本を読み聞かせていると、お月様の表情の変化に合わせて、子どもの表情も変化していることがあります。

そうなれば、読み聞かせは成功と言っていいでしょう。

 

また、読み終えた後は、必ず裏表紙まで見せてあげてください。

お月様の意外な顔が気に入る子どもがとても多いですから。

 

推奨年齢:0歳〜

読み聞かせ難易度:☆

いいおかお度:☆☆☆☆

 

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

絵本の買取依頼もお待ちしております。

 

絵本専門の古本屋 えほにずむ

〒578-0981

大阪府東大阪市島之内2-12-43

URL:http://ehonizm.com

E-Mail:book@ehonizm.com

絵本の紹介「はけたよはけたよ」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

子どもの成長は個人差があり、ペースはひとりひとり違うもの。

それは重々承知しているつもりでも、やっぱり周りの子どもができていることが自分の子にできないのを見ると、親として焦りを感じてしまいます。

 

寝返りは何か月? おすわりは? はいはいは? つかまり立ちは?

 

ひとつできると、もう当たり前になって、次々と要求は増えるばかり。

子どもにしてみれば、ほっとけって話ですよね。

 

わかっちゃいるけど、気になる。

目下のところ、我が息子はひとりで着替えをしません。

「できる」けど「しない」(何度か自分から着替えたことがあります)。

というのは、精神的な原因があるんでしょうか。

単に反抗期のせいでしょうか。

 

今回はそんな私のような悩める親にもぴったりの一冊「はけたよはけたよ」を紹介します。

文:かんざわ としこ

絵:にしまき かやこ

出版社:偕成社

発行日:1970年12月

 

ひとりでパンツがはけない男の子・たつくん。

何度やっても、しりもちをついてしまいます。

えい、パンツなんか はかないや

と、たつくんは下半身丸出しで外へ飛び出してしまいます。

なんという男前な子。

私は内心で拍手してしまいました。

 

そこへ、動物たちがやってきて、たつくんのおしりを見て笑います。

しっぽがないことがおかしいと言うのですね。

動物たちはしっぽを自慢。

いいやい、いいやい。しっぽなんか なくても いいやい

たつくんはどんどん逃げ出し、泥だらけになって家に帰ります。

 

お母さんにお風呂でおしりを洗われ、

さあ、パンツを はくんですよ

 

でもやっぱりしりもち。

ここでたつくんは発想を転換します。

しりもち ついたまま はけないかな

すると……

あらら、はけちゃった。

これならズボンだってはけます。

 

たつくんはズボンをはいて外へ行き、動物たちはたつくんのズボンをうらやましがります。

 

★  ★  ★

 

面倒なこと、やりたくないことも、ちょっとした試みからできるようになる。

その体験は子どもにとって大きな喜びであり、新しいことにチャレンジする活力となります。

 

それにしても、このたつくんのお母さんが素晴らしい。

通報されかねない格好で外から帰ってきた息子を見て、

まあ、たつくん。パンツも はかないで、どこへ いっていたの

と余裕の笑顔。

 

優しくおしりを洗ってくれても、ミシンでズボンを縫ってくれても、パンツをはくことは決して手伝いません。

 

これこそが、子どもへの信頼と愛情でしょう。

見習わないとなあ……。

 

推奨年齢:3・4歳〜

読み聞かせ難易度:☆

お母さんの器の大きさ度:☆☆☆☆

 

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

絵本の買取依頼もお待ちしております。

 

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絵本の紹介「ひこうじょうのじどうしゃ」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は「ひこうじょうのじどうしゃ」を紹介します。

作・絵:山本忠敬

出版社:福音館書店

発行日:1994年1月25日

 

またまた登場、乗り物絵本界のレジェンド・山本忠敬さん。

これは月刊絵本「こどものとも年少版」の1990年3月号に発表された作品で、以前紹介した「とらっくとらっくとらっく」や「のろまなローラー」とは違い、原作者はなく、山本さん自身が文も手掛けています。

 

≫絵本の紹介「とらっくとらっくとらっく」

≫絵本の紹介「のろまなローラー」

 

と言っても、この絵本には物語性はなく、タイトル通り飛行場で活躍する自動車を淡々と説明するだけの内容となっています。

 

しかし侮るなかれ。

大人が読んでも面白い。

こんなにもたくさんの種類の自動車が飛行場で働いているなど、私は考えもしていませんでした。

飛行機に乗り降りする時に使う階段のある自動車「パッセンジャー・ステップ車

荷物を下ろす「ベルト・ローダ」「ハイリフト・ローダ

飛行機の中の汚れものを集める「クリーニング・ローダ

トイレ清掃用「汚水車

点検・整備「高所作業車」「ジラフ車

飛行機のエンジンをスタートさせる「エアー・スターター車

飛行機を引っ張る「ペイ・トラクター

 

……などなど。

いやはや、勉強になりました。

「大人が読んでも面白い」と書きましたが、こんなに緻密な絵で、ひたすら自動車の解説をする絵本など、逆に子どもが読んで面白いの? と思われるかもしれません。

 

しかし、問題は全くなし。

乗り物に興味のある子どもなら、間違いなく食いつきますよ(ソースはうちの息子)。

 

それはやっぱり、山本さんの乗り物愛のなせるわざかもしれません。

いくら写実的であっても、一度画家の目を通し、筆を通して描き出された絵は、写真とは違います。

何が違うか、うまく言えないのですが、写真だとどうしても写ってしまう「余計なもの」を削ぎ落とし、「子どもが見たいもの」だけを抽出している、とでも表現しましょうか。

もちろん、写真には写真の良さがありますけどね。

 

少なくとも、幼い子どもには、写真よりも絵の方が集中しやすいということは言えるかもしれません。

 

ちなみに、我が家ではこれを息子に読むたびに、登場するすべての自動車を「作れ」と言われるので、「恐怖の一冊」でありました。

 

推奨年齢:2歳〜

読み聞かせ難易度:☆

乗り物愛度:☆☆☆☆☆

 

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