「読解力低下」は子どもの問題なのか

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

先日、OECDの国際的な学力到達度調査において、日本の子どもの読解力が、前回の4位から8位に下がったという結果報告がありました(高校一年生が対象)。

原因としては、SNSなどの普及で、長文に接する機会が減ったこと、つまりは読書量の不足が指摘されています。

 

だからといって、子どもに「本を読みなさい」と言ったって、たぶん効果はないでしょう。

現代の子どもは忙しいのです。

宿題、塾、習い事。

ラインやらなにやら(良く知りません)で、ひっきりなしにスマホを確認したり。

とてもゆっくり読書にふける時間なんてありません。

 

それでも、もし本当に本が好きな子どもなら、自分から読書時間を作り出すこともするでしょう。

けど、好きでもない本を、忙しいスケジュールを縫ってまで読む子どもはいません。

 

ニュージーランドの図書館員で、絵本研究家のドロシー・ホワイトさんが、こんな言葉を残しています。

 

絵本は子どもが最初に出会う本です。長い読書生活を通して読む本の中で、いちばん大切な本です。その子どもが絵本の中で見つけ出す楽しみの量によって、生涯その子どもが本好きになるかどうかが決まるでしょう

 

幸せな絵本体験をした子どもは、自然と本好きになります。

もっと、子どもに絵本を読んであげましょう。

 

そしてもうひとつ。

もっと、子どもの話を聞いてあげましょう。

 

なぜなら、読解力の根っこは、「相手の話を聴く」力だからです。

 

色んな場所で子どもを連れたお母さんやお父さんを見る機会がありますが、ちゃんと子どもの方を向いて相手をしている人は、残念ながらとても少ないと感じます。

子どもの方は休む間もなくしゃべり続けているのに、親は適当にあしらったり、雑誌やスマホを見ながら返事をしたり、ひどい時は無視していたり。

 

確かに、子どもの話にいちいち返事をすることを面倒に感じる気持ちはわかります。

脈絡がなかったり、何度も同じ話をしたり。

 

でも、子どもにとってそれはキャッチボールのようなものです。

ちゃんと相手に届くボールを投げ、相手のボールを受ける練習をしているのです。

それを、「さっきと同じボールだから」という理由で、親が相手になるのを止めてしまえばどうなるでしょう。

 

また、まだ言葉が話せない赤ちゃんを相手にしていても同じことです。

話せなくても、伝えたいことがないわけではありません。

メッセージを聴き取ろうとする相手がいなくては、やがて赤ちゃんも、メッセージを発することを諦めてしまいます。

泣いている赤ちゃんを放って、スマホを見ているような親のもとで、どうやってその子がコミュニケーション能力を育てればよいのでしょう。

 

われわれは自分がうぬぼれているほどには「読解力」に優れているわけではありません。

子どもはそれを痛切なほど教えてくれます。

 

結局のところ、今回のOECDの調査結果は、われわれ大人自身の読解力(=相手の話を聴く力)不足が、子どもの問題のように映っているだけです。

読解力だけの話ではありません。

子どもの学力低下も、いじめ問題も、無気力も、自殺も、考えてみれば全部「大人の問題」のように思えるのですが、どうでしょうか。

 

関連記事≫「絵本でつながるコミュニケーション」

 

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読み聞かせ以外の時間も大切に・・・

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

読み聞かせ育児について、これまでも色々と書いてきましたが、別に我が家では子どもを絵本に縛り付けているわけではありません。

 

むしろ、絵本以外の遊び時間のほうがずっと長いです。

お絵かき、ブロック遊び、電車遊び、そして外遊び。

TVはほぼ見ません(電車の動画DVDくらい)。

 

お絵かきに関しては、1歳のころに散々床や壁やドアに落書きされました。

最近になって、やっとスケッチブックの範囲内に収まる絵を描いてくれるようになりました。

カタカナも書きます。

 

≫絵本の紹介「くれよんのくろくん」

ブロックは1歳のころに買いましたが、まあ、主にこちらが色々作らされます。

だいたい乗り物中心です(いつもパーツが足りなくて苦労します)。

 

絵本を読んでいてもしょっちゅう、絵本の中に登場する物を「作るの!」と命じられます。

いたずらきかんしゃちゅうちゅう」を読んだときなど、「ちゅうちゅう」「炭水車」「貨車」「客車」「小さい駅と大きい駅」「トンネル」「跳ね橋」「踏切」「操車場」「石炭船」「貨物列車」「最新式の機関車」「起重機」を作らされ、そのたびに絵本は中断。

目の前は劇場。

読み終えるのに一時間かかりました。

何度「お前が作れ!」の声を飲み込んだことか。

 

≫絵本の紹介「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」

 

外遊びは、基本的に近所の公園です。

一度行くと、なかなか「帰る」と言ってくれません。

夜の7時を過ぎると、ほとんど貸し切り状態です。

 

息子を見ていてつくづく思うのは、子どもというものは、大人よりも遥かに真剣に「今を生きている」のだということです。

私などは、何をしていてもすぐに疲れて眠くなってしまいます。

「明日も早いしなあ」などと考えると、楽しめなくなります。

 

「今を生きる」ということは「明日はない」と思うことであり、「明日死ぬ」くらいのつもりで「今日を精一杯生きる」ということです。

子どもが時間の概念を持つのは10歳前後らしいですが、大人には及びもつかない密度の「今日」を生きている子どもにとって、「明日」などという遠すぎる未来のことなど考えている暇はないのかもしれません。

 

少なくとも息子は「明日があるさ」とは微塵も考えていないようです。

息子「〇〇するの!

私「あとでね

息子「今なの!

という会話に、時々はっとさせられたりします。

 

……だからですかね。

どんなに眠たくても絶対に寝ようとしないのは。

 

≫絵本の紹介「ねないこだれだ」

 

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「自由な子ども」を育てるということ

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

最近、「自由」について考えています。

私は、子どもには「自由な人間」に育ってほしいと願っています。

絵本の読み聞かせも、そのためにやっているつもりです。

絵本以外の時間も、その点を念頭に置いて接しています。

 

でも、「子どもを自由に」と言うと聞こえはいいですが、

ちゃんとしつけないの?

わがままに育つんじゃないの?

親の義務を果たしているの?

といった意見も出てきます。

難しいですよね。

 

私は、「自由」には二通りあると思います。

「外的な自由」と「内的な自由」です。

 

「欲望のままに、好き勝手に振る舞う」ことは、「外的な自由」です。

「外的なものから精神的に解放されている」ことが、「内的な自由」です。

 

たとえば、私を含むほとんどの大人は、自分でも気づかないような心の奥で、子どものころに刷り込まれた価値観や恐怖心や執着心といったものに、多かれ少なかれ支配されています。

そういうものを動機とした行動は本当の意味での「自由」ではないと思うわけです。

 

例を挙げれば、子どものころに親から虐待を受けた人間が、自分が親になってから我が子を虐待するケースが(悲しいことに)多くありますが、私にはこの人間が「自由」であるとは思えません。

また、厳しい親から心理的圧迫を受けて育った子どもが、見た目は道徳的に振る舞っていたとしても、その理由が「そうしないと叱られるから」とか「世間が許さないから」とかいうものであるなら、やっぱり「自由」とは言えませんよね。

そういう人間は、誰も見ていなければ、あるいは世の中が変われば、悪いことをしても平気になるかもしれません。

 

やっぱり、自分の子どもには、そういったものから解放された、「内的に自由」な人間になってほしいと思うのです。

宗教であれ、哲学であれ、武道であれ、目指すところはこの「内的自由」なのではないでしょうか。

 

しかし、

じゃあ、どう育てれば「内的に自由」な人間になるの?

と問われると、今やっていることが、果たして本当に正解なのかどうか、考え込んでしまいます。

 

どう考えても一番良いのは、親である自分自身が「内的に自由」な人間となることなのですが、まるで自信がありません。

せめて、少しでもそうなれるよう、自省する日々です。

 

それにしても、こんなことは、子どもが生まれるまでは全然考えもしませんでした。

「子どもが親を育てる」というのは真理ですね。

 

関連記事≫「3歳までに絵本を1000冊読み聞かせたら」

    ≫「絵本でつながるコミュニケーション」

    ≫「読み聞かせという英才教育」

 

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