子どもの弱視治療経過

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

息子が近視による弱視と診断され、治療用眼鏡をかけ始めたのが去年の暮。

 

≫子どもの弱視について

 

それから、月に一度眼科で経過を調べてもらっています。

治療には数年かかることもあり、長い目で見る必要がありますが、眼鏡をかけ始めてひと月で、息子は近くのものは1.0の視力で見ることができるようになりました。

「近くのものは」というのは、弱視とはそもそも屈折異常によりピントが合わせられない病気のため、息子は近視と言っても近くのものですらピントが合ってなかったのです。

 

それがひと月で1.0まで視力が出たわけですから、まあまあ良かったと思えます。

ただし、視力が出るのは近くだけで、数メートル離れるともうちゃんと見えていないようなのです。

 

妻はこれを心配しまして、どうにか息子に「遠くのものをじっと見る」練習をさせようと頑張っています。

しかし、息子はほんのわずかな時間ですら、遠くのものを見続けることをしようとしないんですね。

すぐ目を逸らしてしまう。

 

練習しないと見えるようにならないよ! と妻は度々言い聞かせ、最後には怒ってしまうことの繰り返し。

でも息子本人はあっけらかんのカー。

 

「何かを強制される」ことに絶対に我慢できない息子ですから、妻が怒って練習させようとすればするほど逆効果なのかもしれません。

まあ、まだまだ始めたばかりだから、根気よく構えるつもりです。

 

息子は今5歳で、あと一年とちょっとで小学校です。

実は入学前の一年間だけでも保育園に入れて他の子どもたちと生活させてみようか……と考えて、見学もしたんですが、その直後に弱視のことがわかって、やっぱりやめにしました。

 

もちろん保育所には眼鏡をかけた子どももいますし、保育士さんもちゃんと理解してくれています。

でも、どうしても預けないといけないわけではない以上、やっぱり家で見てたほうがいいだろうという結論に達しました。

 

「幼稚園や保育所に行ってないから、他の子と同じように遊ばないのかな」という推測が、根本的に間違っていた可能性が高くなりましたし。

たまたまかもしれませんけど、眼鏡をかけるようになってから、急に知らない大人を相手によく喋るようになった気もします。

やっぱり相手の顔も見えてない状態では喋りづらかったのでしょうか。

 

またぼちぼちと治療の経過については記事にしていこうと思っています。

 

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【絵本の紹介】「時計つくりのジョニー」【307冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

息子がもっと小さかった頃、ほとんど毎日のように何かを「作って!」と言われ続けていました。

何かとは、たいてい電車などの乗り物のおもちゃでしたが、中には変なリクエストもたくさんありました。

 

もともとはブロック遊びから始まったんですが、妻が紙工作で新幹線を作ったのがきっかけになり、鉄道図鑑を前にして何十種類となく作るようになりました。

私はあまり工作が得手ではなかったんですが、だんだんと凝るようになってきて、磁石で連結させたり、合体させてロボにしたり、自分でも割と楽しむようになりました(すぐ壊されることもあるけど)。

 

そうするうちに、日常生活や仕事においても、何かが必要になった時、まず「自分で作れんかな」と考えるようになってきました。

今までは出来合いの製品を買うのが当たり前だったけど、自分で作った方が細部まで自分好みに設定できます。

 

もちろん手間暇はかかりますし、色々と考える必要もあります。

しかし、考えてみれば今まで私が「何かを作ること」が苦手だったのは、手先の器用さ以前に「面倒だから」と考えることそのものを放棄していたせいかもしれません。

 

頭の中だけの知識ではなく、実際に行動して見ると様々な気づきがあり、失敗があり、その過程で実にたくさんの学びがあります。

知識、計算力、想像力などを総動員しなければ、もの一つ作るだけでも、なかなか上手くはいきません。

子どもの調和的な発達のためには、何でも作らせることは非常に有用だと思います。

 

さて、今回紹介するのは私など足元にも及ばない天才DIY少年の物語「時計つくりのジョニー」です。

作・絵:エドワード・アーディゾーニ

訳:阿部公子

出版社:こぐま社

発行日:1998年7月1日

 

エドワード・アーディゾーニさんは、こぐま社の創業者である佐藤英和さんがこよなく愛する絵本作家です。

少し長めのお話ですが、展開が気になってぐいぐい読めます。

 

基本的に引いたアングルの構図を多用し、人物の表情をはっきりとは描かないアーディゾーニさんのいつもの手法。

テキストの流れとは別にフキダシによるセリフが用いられているのも特徴です。

漫画的と言うよりも、映画のワンシーンを切り取ったような印象を受けます。

 

手先が器用で、暇さえあれば何か作っているという少年・ジョニー。

お気に入りの本は「大時計のつくりかた」。

話の筋から逸れますが、私はここのカットが大好きです。

本を読む子どもの姿が好きなんですが、椅子が体に合っていないのを、分厚い本を敷くことで調節してるリアリティ。

本を座布団にしてもいいのは本好きの子どもだけ。

 

さて、ジョニーは自分で大時計を作ろうと思いつきますが、両親も学校の先生もまるで本気にしてくれないばかりか、心無い言葉を浴びせて子どものやる気の芽を摘もうとします。

 

しかし、唯一の理解者である友達のスザンナに励まされ、ジョニーは大時計作りに着手します。

材料をそろえるだけでも一苦労。

鍛冶屋のジョーの仕事を手伝ったりして、どうにか必要なものを集めます。

 

けれどもいじめっ子に材料を取り上げられ、スザンナの助けでそれを取り戻しても、家で仕事を始めると父親に邪魔されそうになったり、試練が続きます。

 

それでもジョニーはへこたれず、ついに大時計を完成させます。

その見事な出来栄えに、両親も先生も、そしていじめっ子たちまでもがジョニーを見直します。

周囲の理解と尊敬を得たジョニーは、ジョーとスザンナと一緒に時計製造業を始めることになるのです。

 

★      ★      ★

 

小さな主人公が苦難を乗り越え、華やかに成功を収め、周りから一目置かれる存在になる。

絵本の王道といえば王道ストーリーなんですが、ジョー以外の大人が酷すぎて、吐き気を催すレベルです。

 

好きなことに夢中になる子どもをつかまえて、大勢の前で「おばかさん」呼ばわりする先生とか、「ばかなこと」をやめて家の手伝いをしなさい、という親とか。

最後は大団円とは言うものの、よくこんな大人に囲まれた環境でジョニーのような優秀な子どもが育ったなと感心します。

 

まあ、こういう大人が当たり前の時代もあったのかもしれません。

だから、現代を生きる私たちも、「あんなひどい親ばかりの時代もあった」と回想される時代が来るかもしれませんね。

 

ちなみにこの絵本の献辞は「まごのスザンナに」ですから、ジョニーを支えるスザンナは、作者の孫娘がモデルになっているのでしょう。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

親と教師の教育力度:☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「時計つくりのジョニー

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【絵本の紹介】「だるまちゃんとうさぎちゃん」【306冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

去年から今年にかけ、私の大好きな絵本作家さんが次々と亡くなられました。

トミー・ウンゲラーさん、ジョン・バーニンガムさん。

そして、日本絵本界の長老的存在だった加古里子さん。

 

今回は加古さんの代表作「だるまちゃん」シリーズ第三弾、冬のお話を紹介しましょう。

だるまちゃんとうさぎちゃん」です。

作・絵:加古里子

出版社:福音館書店

発行日:1977年4月1日(こどものとも傑作集)

 

かなり久々の登場ですかね。

前2作の記事も併せてどうぞ。

 

≫絵本の紹介「だるまちゃんとてんぐちゃん」

≫絵本の紹介「だるまちゃんとかみなりちゃん」

 

てんぐちゃん」「かみなりちゃん」と来て今回は「うさぎちゃん」……。

わりと普通。

 

このシリーズは日本の伝説上のキャラクターや民芸品なんかが毎回登場するんですが、このうさぎちゃんも、日本のノウサギがモデルだそうです。

他シリーズのゲスト勢が個性的すぎて、どうしてもインパクトは弱いですが。

 

今回はだるまちゃんの妹の「だるまこちゃん」も大いに活躍します。

兄妹はスキーを楽しみ、雪だるまを作ります。

 

雪だるまの目にしたりんごが転げて、「うさぎちゃんと うさぎこちゃん」にぶつかって止まります。

だるまちゃんたちは一緒になって色々な変わった雪だるまを作って遊びます。

雪うさぎの作り方や、手袋を使ったうさぎ人形。

家に入ればナプキンやりんごや食器までうさぎ型にして遊びます。

お土産は新聞紙でうさぎの帽子。

最後までうさぎ尽くし。

 

★      ★      ★

 

様々な伝統的な遊びを紹介する「だるまちゃん」シリーズ中でも、この作品は特に最初から最後まで遊びの図鑑みたいな構成です。

どれも家ですぐに試せるものばかりで、我が家でも息子が手袋のうさぎ人形を作ってました。

 

加古さんは歌や絵遊びなど、日本に伝わる古い遊びの研究をライフワークにしており、ここに描かれたのはそのほんの一部でしょう。

それにしたって「丹下左膳」とか、もう今の子どもには馴染みがないどころか、親だって知らない人も多いかもしれません。

「座頭市」のほうは映画なんかでまだ知名度がありますが。

 

この作品に出てくるような遊びも、もう子どもたちもやらないし、そもそも誰にも教えてもらえないかもしれません。

何もない時代に、知恵を働かせて生み出した遊びを、下の世代の子どもたちに伝え、残していく。

そんな時代はもう終わってしまったのでしょう。

 

精巧に作られたおもちゃよりも、ただの棒一本、石ころ一つの方が、想像力を制限されない分、子どもたちは長く遊べたりするものです。

しかしそれも、電子ゲーム機には敵わないのでしょうか。

 

面白いでしょうしね。

しかも時間もかかるし。

さらに、面倒見る大人にとっても楽と言えば楽。

怪我も心配ないし。

 

しかしそれでもやっぱり、手間暇をかけて「遊び」を創造する仕方を覚えることは、大人になってからでも必ず役に立つことだと思うのです。

加古さんが未来の子どもたちに残そうとしたものの大切さを、もう一度考えてみたいと思うのです。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

だるまちゃん博識度:☆☆☆

 

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