GW中の営業について

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

いよいよ10連休に入りますね。

当店は28日〜5月7日までの期間、出荷作業はお休みとさせていただきます。

ご注文は常時受け付けています。

お問合せメールに関しましても可能な範囲で対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。

何しろ長い連休ですので、どこかへ遠出される方も多いでしょう。

どうぞお気をつけて。

 

我が家は妻が休みたいと言うので、ほぼ私が息子と二人で過ごすことになる予定です。

日帰りできる範囲でどこかへ連れて行こうかと思ってますが、家でいる時間も長そうです。

 

最近息子の読み聞かせ状況についてここで触れることが少なくなってますが、ちゃんと続けてますよ。

回数は減ってますが。

繰り返し読みがなくなりましたね。

楽なような、寂しいような。

 

自分自身の読み方について、もっと考えた方がいいような気がしています。

最近朗読しながら録音してみたりして、どんな風に読んでるか確認すると、嫌になるくらい下手なんですね。

5年も読み続けてるのに下手というのは(声が悪いのは仕方ないとしても)、やっぱり努力が足りないんでしょうか。

 

疲れてる時なんか、自分でも早口になるのを止められないし……。

というのも、長い話を読むことが増えたので、ゆっくり読んでると終わらないんですね。

「15少年漂流記」とか「西遊記」くらい長い話だと、「今日はここまで」ができるんですが、「ぼくは王さま」くらいだと1冊丸々読了するまで許してくれないことが多いんです。

 

まあ、言い訳ですけど。

4歳くらいまでのことを思い出せば、よっぽど楽になってるんですがね(違う意味で手がかかるようにはなったけど)。

 

連休中は、自分の朗読力強化を目標に過ごしてみます。

読み聞かせというものについて、何か新しい発見があればいいと思います。

 

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「00冊分の絵本の紹介記事一覧

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

絵本の買取依頼もお待ちしております。

 

〒578−0981

大阪府東大阪市島之内2−12−43

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【絵本の紹介】「ぐりとぐらとくるりくら」【315冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

お久しぶりにあの2匹に登場してもらいましょう。

大人気ロングセラーシリーズ「ぐりとぐら」より、「ぐりとぐらとくるりくら」を紹介します。

作:中川李枝子

絵:山脇百合子

出版社:福音館書店

発行日:1992年10月31日

 

いや、本当に久しぶりですね。

これまでに紹介した彼らの活躍も併せてごらんください。

 

≫絵本の紹介「ぐりとぐら」

≫絵本の紹介「ぐりとぐらのおきゃくさま」

≫絵本の紹介「ぐりとぐらのおおそうじ」

≫絵本の紹介「ぐりとぐらのかいすいよく」

 

あの天才・宮崎駿監督をして映像化不可能と言わしめた独特の世界。

大人が読むとツッコミどころ満載で、何だかモヤモヤ。

でも、素直に楽しめる子どもたちには圧倒的人気。

まさに子どものための聖域絵本。

 

毎回平和でのんびりとした展開の中に、何とも不思議なゲストキャラ(サンタに見えないサンタ、人間にしか見えないうみぼうず……)が登場するシリーズですが、今作登場の「くるりくら」はその中でも特に奇妙です。

 

「くるりくら」、これ名前です。

もうネーミングセンスが一世紀くらい時代を先に行ってます。

一体何者かと言いますと……。

 

春の朝、例によってぐりとぐらは朝ごはんを作って原っぱで食べようと出かけます。

にんじん ピーマン ゆでたまご チーズ たまねぎ ほうれんそう キャベツ じゃがいも ぐりぐらサラダ

このリズム感こそぐりぐらワールドの真骨頂。

 

さて、原っぱへ到着すると、二匹の帽子が引っ張られます。

とりかな

かぜかな

さにあらず、現れたのは「てながうさぎ」の「くるりくら

一緒に朝ごはんを食べると、くるりくらは二匹を肩に乗せて木に登り、さらに雲を集めてボートを作り、乗り込みます。

その異様に長い手を使ってボートをこぐくるりくら。

自分の家までくるとお母さんに手を振ります。

でもお母さんは普通のうさぎ。

くるりくらを見て、「おまえのては どうして そんなに ながいの!」と驚きます。

 

実はくるりくらは元から「てながうさぎ」だったのではなく、「おまじないたいそう」によって一時的に手を伸ばしていたのです。

何を言ってるかわからないかもしれませんね。

私もわかりません。

 

三匹は10時のおやつを食べ(本当によく食べる絵本です)、くるりくらのお母さんが毛糸で作った縄跳びをもらって、ぐりとぐらは歌いながら飛び跳ねて帰って行きました。

 

★      ★      ★

 

「てながうさぎ」なんて、一体どうやってそんなもんを思いついたんでしょうか。

真面目に深く考えるとさっぱり意味の分からない物語に思えてしまいます。

 

この絵本の謎を解きたい大人は、とにかく一度声に出して読んでみましょう。

ぐりとぐらとくるりくら」。

何だか耳に残って、不思議としっくり馴染みます。

 

はるかぜ そよかぜ くるりくら

とびたい はねたい おどりたい

ぐりぐら ぐりぐら くるりくら

 

心が弾んで、じっとしていられなくなります。

これが絵本の魔法です。

音読した時に初めて本当にぐりぐらワールドに遊びに行けるのです。

 

文法とか意味とか以前に、言葉と言う「音」の持つ生命力を感じて、子どもたちは手を叩くのです。

我々大人はすでにそんな根源的な言葉の力を失っているように思います。

 

まあ、私もこの絵本の魅力に気づけたのはわりと最近です。

やっぱりそれまでは物語の内容とか意味とかばかり考えてしまって、楽しめていませんでした。

 

だって内容も絵も、あまりにも謎めいてますもの。

いまだにわからないのは、くるりくらが座っている椅子に結びつけられたぐるぐる巻きの「何か」の正体です。

最初凧かと思いました。

野菜かもしれません。

床に広げてある絵本には、うさぎが巨大なニンジンを紐で引っ張っているイラストがあります。

それと関連しているのでしょうか。

 

……などとしょうもないことを気にしているから素直に楽しめないんでしょうね。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

とびたいはねたいおどりたい度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「ぐりとぐらとくるりくら

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【絵本の紹介】「アルド わたしだけのひみつのともだち」【314冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今年亡くなられたジョン・バーニンガムさんとトミー・アンゲラーさんの絵本を読み返す機会が増えました。

私は絵本作家本人とその作品の関連性を考察したりしますが、別に優れた絵本は優れた人間から生まれるとは思っていません(逆も然り)。

けれど、この二人に関しては作品と人間性が実に一致してると感じています。

二人とも、とてもカッコイイ大人の男なんです。

 

今回はバーニンガムさんの「アルド わたしだけのひみつのともだち」を紹介します。

作・絵:ジョン・バーニンガム

訳:谷川俊太郎

出版社:ほるぷ出版

発行日:1991年12月1日

 

簡単に内容をまとめてしまえば、孤独で内向的な少女が、「アルド」という空想上のともだちを心の支えとするお話です。

表紙で女の子と肩を組んでいるのがアルド。

マフラーをした巨大なうさぎみたいな外見。

 

で、率直に感想を申し上げると「暗い」んですね。

書評なんかを見てますと「心温まる」なんてワードが出てきますが、私はあんまり心温まりませんでした。

暗いもの。

 

大型絵本の体裁で、テキストは少なく、絵の余白が目立ちます。

色彩もどこか暗く儚く、危うい脆さを内包しています。

 

さらにアルドが無表情でセリフがなく、どこか不気味な点もこの作品が暗い要因のひとつです。

この暗さは、例えばぬいぐるみと少女の交流を描いた林明子さんの傑作「こんとあき」と読み比べると一層際立ちます。

 

≫絵本の紹介「こんとあき」

 

他の人の目にも見えて、大いに喋って動いて活躍する「こん」の圧倒的存在感に対し、アルドはあくまでも主人公の心の中にのみ存在し、他者には見えないし物理世界に影響を及ぼすこともできません。

この明確な陰陽はなかなか興味深いところです。

 

テキストは少女の独白で語られ、のっけから「わたしはひとりきりで すきなように ときをすごすことがおおい」と内向的。

この少女はあまり外へ出かけたり他の子と遊んだりするのが得意ではないのです。

彼女は自分のことを「とてもとてもうんがいい」と思っています。

それは特別な友だちのアルドがいてくれるから。

学校でいじめられた時、夜中に怖い夢を見て目を覚ました時、アルドが来てくれて安心させてくれるのです。

アルドのことは誰にも話せません。

言っても信じてもらえないことは少女にもわかっています。

けれど、本当にアルドはいるのだということを少女は知っています。

時にはアルドのことをすっかり忘れている日もあるけれど、本当に辛いことがあれば、アルドは必ず来てくれるのです。

 

★      ★      ★

 

少女の内面世界や、精神分析的な考察はいくらでもできますが、それは於いておきましょう。

ここではバーニンガムさんがどうしてあえてこの物語をここまで「暗く」描いたのかについて考えてみます。

アルドと少女の「遊び」のシーンは幻想的というよりも怪奇的で、はっきり言って私には怖いくらいです。

 

そして、ここには私のような大人が内心望むところの「少女の精神的成長」が描かれません。

少女は最初から最後まで内気で孤独であり(最後に他の友達と遊ぶ姿もあるけど)、アルドだけが心の支えである、という認識のまま物語は終わります。

 

そこがこの絵本が「暗い」最大の理由です。

 

大人としては、子どもが想像上の友だちを持つことは理解するけれど、いつかはそこから現実世界へ踏み出して「強く」生きて欲しいと思うことは避けがたいことです。

つまり、アルドの助けを得て、最終的には少女はアルドなしで世界に立ち向かう強さを手に入れるという物語ならば、こう暗くはならないと思うのです。

 

以前紹介した「ラチとらいおん」なんか、まさにそういう絵本です。

らいおん」はアルド同様他者にはおそらく見えませんが、この作品とは比べようもないほど明るい絵本です。

 

≫絵本の紹介「ラチとらいおん」

 

それを承知の上でバーニンガムさんはこういう描き方をしたのでしょう。

それは彼の子どもへの「無条件の承認」という限りない優しさから来ているのです。

 

彼は子どもに「成長しろ」と決して言いません。

内気な子もそうでない子も、そのありのままを受け入れ、認めます。

 

大人たちは子どもが一人遊びをしているとすぐに心配します。

「友だちと遊ぶことは無条件に良いこと」だと言わんばかりに、一人遊びをやめさせ、大勢の中に放り込もうとします。

大きなお世話です。

 

でも、たいていの子どもは素直なので、一応他の子と遊んでみます。

しかし、やっぱりそれは自分の正直な欲求とはずれているわけで、辛いわけです。

放っておいたって、友だちと遊びたくなれば遊ぶものを、周りの大人がそういう余計な手出しをするから、子どもは一人でいること・一人でいたいと思うことがまるで悪いことのように思ってしまいます。

で、余計に内向的になって、隅っこで一人になるわけです。

 

もっと堂々と一人でいたっていいじゃないですか。

一人遊びはちっとも悪いことでも恥ずかしいことでもないんですから。

 

バーニンガムさんはその懐の深さと本物の優しさから、ある種の子どもたちの救いとも言うべきこの絵本を描いたのだと思います。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

空空寂寂度:☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「アルド わたしだけのひみつのともだち

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「00冊分の絵本の紹介記事一覧

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