読み聞かせで大切な3つのこと

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

子どもへの絵本の読み聞かせって、簡単なようで難しい。

何をどう読めばいいかわからない。

つい億劫になって、毎日続かない。

 

そんな悩みを持つ方へ、何度かにわたって読み聞かせ奨励記事を書いてきました。

 

≫絵本をどう選ぶか。そして、どう読んであげるか。

≫大人のための「絵本の読み方」

 

もの凄くざっくりまとめると、

難しく考えないで、たくさん読んであげましょう

楽しんで読むために、まず自分が絵本を好きになりましょう

ということになります。

 

さて、今回は(やっと)具体的な「子どもへの読み聞かせ方」についてです。

思うところをだいたい以下の3点にまとめました。

●伝達者としての節度を守る

 

前回、個人的な絵本の楽しみ方について書いたわけですが、その際に断りを入れておいたのが、

大人が自分で読む場合と、子どもに読んであげる場合では、読み方が異なる

という点です。

 

自分で読む分には、どう読もうと自由です。

物語をどう解釈しようと、絵に込められた作者の意図をどう深読みしようと、そうした行為自体が絵本の楽しみです。

 

しかし、子どもに読んであげる時には、我々の立場は単なる「読者」から離れ、絵本と子どもの橋渡しをする「伝達者」となります。

自分の解釈や思想を、純粋な読者である子どもに押し付けることは避けねばなりません。

ましてや、登場人物の感情や考えについて、テキストにない説明を勝手に付け加えるようなこと(『この子はきっと悲しい気持ちだったんだねー』とか)は、無粋と言っていいでしょう。

 

だからと言って、「無になって読む」のとも違います。

それでは棒読みになってしまいます。

 

ちゃんと抑揚をつけ、感情を込めるべきところには感情を込めて読みます。

するとそこには避けようもなく、その絵本に対する自分の解釈が入り込みます。

自分がその絵本を好きなら、なおさらでしょう。

 

つまり、どうしたって「自分の色」は読み方に滲み出てくるわけで、それは無理に抑えなくても構いません。

それで十分なところに、さらに余計な言葉を差しはさむ必要はない、と言っているのです。

 

心を込めて読んであげたら、その絵本から何を受け取り、何を感じるかは、子どもに任せておく。

それが子どもに対する敬意であり、伝達者としての節度を保った態度です。

 

たとえば、友達に大好きな本や映画を紹介する時、作品に対する自分の熱い想いを語り過ぎたり、自分流の「見どころ」を解説したりし過ぎると、友達は引いてしまうでしょう。

 

ましてや、子どもは「何かを押し付けようとする大人」や「説教を垂れようとする大人」に対して非常に敏感で、そうした気配を察知するなり、反射的にその場から逃げようとします。

 

将来的に本好きな子どもになって欲しいと願っているのに、これでは逆効果です。

気を付けましょう。

 

ですが、「本文にないことは一切口にしてはいけない」というほど神経質になることはないと思います。

ことに、文の少ない絵本などでは、テキストだけを読んで終わり、というのではページをめくるのが早くなり過ぎますし、黙って絵だけを見ているのも(子どもが集中しているようなら構いませんが)、子どもが退屈してしまうかもしれません。

 

そういう場合に、「ここにこんな絵があるね」とか、「この動物は何をしてるんだろうね」とか、子どもが絵に入っていくきっかけを作ることは問題ないでしょう。

要は、二人そろって楽しめればいいんです。

 

●十分に間を取ること・絵を読むこと

 

これは、上記の「絵が中心の絵本」を読むこととも関係しますが、読み聞かせに慣れていないうちは特に、「間を取る」ことが難しいです。

大人はつい、テキスト中心の読み方をしてしまい、文の少ないページは早々に次に行ってしまいがちです。

 

ですが「絵本」は、その名の通り、絵が重要な役割を持つ本です。

読み聞かせる側がそれを理解し、「絵を読む」仕方で絵本を取り扱わなければ、子どもも本当の意味での絵本の楽しみ方を知ることができないでしょう。

 

かく言う私も、最初のころはテキストを追いかけるだけの読み聞かせ方をしていました。

今思ってもひどく下手な読み方で、棒読みの上に早口、子どもの反応も見ていませんでした。

 

息子は2歳以前には一人でも本を読めるようになりましたが、文字を覚えるのが早かったこと自体は、さほどいいことではなかったかもしれないと思っています。

 

と言うのも、絵本を読み聞かせている時の息子の目線を見ると、半分近くはテキストを追っているからです。

これは私がテキスト中心の読み方を続けていたせいかもしれません。

 

最近になってやっと、私自身が絵を読む楽しみを覚えたおかげか、息子も絵を詳細に見て、いろいろな発見をするようになりました。

また、息子を観察していると、テキストよりも絵に集中している時のほうが、絵本の世界により深く入り込めているように思えます。

 

テキスト中心の読み方から脱却しようと思えば、まずは絵本の全体を、隅々に至るまで楽しみつくそうとすることです。

 

すぐれた絵本は表紙、見返し、扉から裏表紙に至るまで楽しめるように工夫されているものが多いです。

そうしたことを理解し、じっくり読み、絵を見せてあげることで、自然と間が取れるようになって行きます。

 

●どう楽しむかは、子どもの自由

 

初めに述べた「伝達者としての態度」の話に戻りますが、読み聞かせにおいて重要なのは、主導権が子どもにあることです。

大人の独りよがりでは意味がありません。

 

もちろん、まだ本を読めない子どもは、読み聞かせてくれる大人を媒介者にしなくては絵本の世界に入っていくことはできません。

それでもやっぱり、あくまでも絵本は子どものためのものです。

 

だから、もし子どもが読み聞かせの途中で違う遊びを始めたり、何度も中断させられたりしたとしても、無理に絵本に戻す必要はありません。

大人が絵本をどう読もうと自由なように、子どもも自由に絵本を楽しんでいいのです。

 

うちの息子も、しょっちゅう絵本に出てくるものをブロックや紙工作で作ったり(作らされるのは私ですが)、登場人物になり切って演劇を始めたり、途中で絵本自体を忘れたりすることもしばしばです。

でも、それでいいと思っています。

 

大人は子どものために道を示すものですが、子どもがその道を通らなかったとしても、引き戻す権利はありません。

子どもが差し出した手は必ず握ってやらなければなりませんが、求められてもいないのに手を引くことは自重しなくてはなりません。

 

絵本を読み聞かせる態度はそのまま、子どもに対する親の態度につながるように思います。

 

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

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