絵本の紹介「ねずみのさかなつり」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は「7つごねずみのシリーズ」より、「ねずみのさかなつり」を紹介します。

作:山下明生

絵:いわむらかずお

出版社:ひさかたチャイルド

発行日:1986年1月

 

14ひきのシリーズ」でおなじみのいわむらさん。

彼が描く、もうひとつのねずみの大家族の物語です。

 

これは、2ごよりも 3つごよりも 5つごよりも もっと おおい、7つごの ねずみの おはなしです。

のフレーズで始まります。

このシリーズは文章を山下さんが担当しているのですが、「14ひき」と設定も雰囲気もよく似ています。

 

違いは、「7つご」たちは「ちゅうちゅうねずみの ちゅうがっこう」に通っていて、ねずみ以外の動物とも交流がある点。

完全に自然の中で暮らす「14ひき」に対して「7つご」は田舎暮らしといった風情です。

 

また、このシリーズは全4作で、それぞれの季節に合わせたエピソードが収録されています。

これは、冬のおはなし。

凍った湖へスケートをしに行った7つごたちは、いたちの親子が氷に穴を開けて、釣りをしているのを見ます。

当然、自分たちもやりたくなって両親を説得しますが、お父さんは仕事、お母さんは氷の上なんて歩けないと言います。

 

そこで7つごたちはそりを作って、お母さんを湖へ連れ出します。

氷に穴を開けたり、火をおこしたり。

7つごたちは張り切って釣り始めますが、なかなかみんなの分までは釣れません。

 

そこで、昔は釣り名人だったというお母さんが釣竿を持ちます。

すると、なんと一度に8匹も釣り上げてしまいます。

感心する7つごたち。

あつあつの さかな、おいしいね

 

★      ★      ★

 

いいですね、冬の魚釣り。

子どもを自然の中へ連れて行って、思い切り遊ばせたいと思う親は、私だけではないと思います。

が、私は大阪生まれ大阪育ち、帰る田舎もありません。

 

自分の子どものころの遊びを伝えたり、自然のことを教えたり……そんなことに憧れている私には、いわむらさんの絵本は本当に「いいなあ」と感じるのです。

テレビの大家族番組なんか見ても、全然羨ましく感じませんが(大変だろうな、と思うだけで)。

 

7つごたちのお母さんのように、子どもに「いいところ」を見せる機会は、こうした遊びの中にこそあるのでしょう。

 

ですから私は、息子がもう少し大きくなった時に備えて、いろいろな遊びをこっそり勉強したりしています。

そしてそのたびに、「子どものころ、もっともっと外で遊んでおけばよかったなあ」と思います。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

家族のチームワーク度:☆☆☆☆

 

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