2017.02.07 Tuesday
絵本の紹介「ねずみのさかなつり」
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今回は「7つごねずみのシリーズ」より、「ねずみのさかなつり」を紹介します。
作:山下明生
絵:いわむらかずお
出版社:ひさかたチャイルド
発行日:1986年1月
「14ひきのシリーズ」でおなじみのいわむらさん。
彼が描く、もうひとつのねずみの大家族の物語です。
「これは、2ごよりも 3つごよりも 5つごよりも もっと おおい、7つごの ねずみの おはなしです。」
のフレーズで始まります。
このシリーズは文章を山下さんが担当しているのですが、「14ひき」と設定も雰囲気もよく似ています。
違いは、「7つご」たちは「ちゅうちゅうねずみの ちゅうがっこう」に通っていて、ねずみ以外の動物とも交流がある点。
完全に自然の中で暮らす「14ひき」に対して「7つご」は田舎暮らしといった風情です。
また、このシリーズは全4作で、それぞれの季節に合わせたエピソードが収録されています。
これは、冬のおはなし。
凍った湖へスケートをしに行った7つごたちは、いたちの親子が氷に穴を開けて、釣りをしているのを見ます。
当然、自分たちもやりたくなって両親を説得しますが、お父さんは仕事、お母さんは氷の上なんて歩けないと言います。
そこで7つごたちはそりを作って、お母さんを湖へ連れ出します。
氷に穴を開けたり、火をおこしたり。
7つごたちは張り切って釣り始めますが、なかなかみんなの分までは釣れません。
そこで、昔は釣り名人だったというお母さんが釣竿を持ちます。
すると、なんと一度に8匹も釣り上げてしまいます。
感心する7つごたち。
「あつあつの さかな、おいしいね」
★ ★ ★
いいですね、冬の魚釣り。
子どもを自然の中へ連れて行って、思い切り遊ばせたいと思う親は、私だけではないと思います。
が、私は大阪生まれ大阪育ち、帰る田舎もありません。
自分の子どものころの遊びを伝えたり、自然のことを教えたり……そんなことに憧れている私には、いわむらさんの絵本は本当に「いいなあ」と感じるのです。
テレビの大家族番組なんか見ても、全然羨ましく感じませんが(大変だろうな、と思うだけで)。
7つごたちのお母さんのように、子どもに「いいところ」を見せる機会は、こうした遊びの中にこそあるのでしょう。
ですから私は、息子がもう少し大きくなった時に備えて、いろいろな遊びをこっそり勉強したりしています。
そしてそのたびに、「子どものころ、もっともっと外で遊んでおけばよかったなあ」と思います。
推奨年齢:4歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆
家族のチームワーク度:☆☆☆☆
■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。
■絵本の買取依頼もお待ちしております。
〒578−0981
大阪府東大阪市島之内2−12−43
URL:http://ehonizm.com/
E-Mail:book@ehonizm.com