絵本の紹介「飼育係長」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介するのは、一度見たら忘れられないインパクトの絵本、「飼育係長」です。

作・絵:よしながこうたく

出版社:長崎出版

発行日:2008年2月11日

 

作者のよしながさんは福岡出身のイラストレーター。

初めての絵本「給食番長」が大人気となり、以後、「わんぱく小学校シリーズ」として続編を次々に刊行。

 

この「飼育係長」はその2作目に当たります。

 

何と言っても、絵が衝撃的。

ちょっと自己主張が強すぎる画風に、敬遠される方もいるかもしれません。

 

登場する動物たちは、可愛いというよりも不気味だし、画面の隅々でうごめく小さな動物たち(これを探すのも楽しみの一つですが)は、「どこの星の生物?」だし。

 

でも、内容はわりとテーマがはっきりした、オーソドックスな絵本だったりします。

わんぱく小学校1年2組の個性あふれる生徒たち。

今回は動物大好き、飼育係の「まさお」が主役。

 

動物園からの遠足の帰り、まさおのリュックに動物の子が潜り込んでいました。

まさおはこの子を「シマ子ブタ」だと言い張り、こっそり学校で飼うことにします。

「しまぷー」と名付けた子ブタに、まさおは毎日たくさんエサをあげますが、夏休みの終わり、しまぷーは巨大な姿に成長、キバまで生えてきます。

 

どうやらブタではなく、イノシシだった模様。

でも、まさおは相変わらず小屋の中でエサをやり続けます。

 

そしてある日、しまぷーは飼育小屋から脱走してしまいます。

 

探し回っても見つからず、仕方なくまさおたちは動物園に行き、園長に打ち明けます。

園長は、動物を飼育することの難しさや責任について、まさおたちに説いて聞かせます。

エサをあげればいいってもんじゃないんですよね。

そこで、しまぷーと感動の再会。

しまぷーは狭い小屋を抜け出して、動物園に戻ってきたのでした。

 

★      ★      ★

 

絵は個性的でも、メッセージは明確。

そしてこのシリーズのもう一つの特徴は、「福岡」という作者の地元を強力に押し出した「ご当地絵本」であること。

 

標準語の本文の他に、博多弁バージョンの文がついた、方言バイリンガル絵本なのです。

面白い試みだと思いますが、私としては、むしろ標準語は完全に排除して、博多弁一本で勝負して欲しかったです。

 

子どもが幼いうちからの英語教育に熱心な方が、子どもが方言を覚えることを嫌がるのは奇妙な気がします。

「多様な言語文化」を学ぶことが目的なら、どんどん方言を教えても問題ないはずです。

何よりも、子どもは方言が大好きですし。

 

標準語版がいらないという理由のひとつは、ページにおける活字の配分を少なくしてほしいからです。

だって、絵の情報量が凄いから。

どうしても字が邪魔に感じてしまうんですよね。

どうせなら手書き字体のほうが、この絵にはしっくり来るような気がしますが、どうでしょうかね。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆☆☆(博多弁に馴染みがない人の場合)

地元愛度:☆☆☆☆☆

 

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

絵本の買取依頼もお待ちしております。

 

〒578−0981

大阪府東大阪市島之内2−12−43

URL:http://ehonizm.com/

E-Mail:book@ehonizm.com

コメント