2017.01.24 Tuesday
絵本の紹介「かず」
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
数学が苦手・嫌いだという方、いますか?
私は真っ先に手を挙げます。
学生のころ、数学の授業についていけなくなり、すっかり投げ出してしまい、現在に至ります。
そのときの苦手意識を、いまだに引きずっているのですね。
しかし、自分が数学嫌いだから言うわけではありませんが、あれほど子どもをげんなりさせる教科は他にあるでしょうか。
そしてそんな子どもたちが数学を放棄するときのお決まりのセリフは、
「こんなもの、生きて行く上で何の役に立つの?」
です。
もちろん浅薄な主張ではありますが、そんな子どもを生み出すのは、学校授業のつまらなさに原因があると思います(責任転嫁かな)。
私だって、最初から数学が嫌いだったわけではありません。
ですが、受験勉強対策として、ひたすら公式を暗記させ、問題を解かせるというやり方に、だんだんうんざりしてきたのです。
高等数学は知識や道具ではなく、考える仕方そのものを学ぶという意味で、哲学と深く関わっています。
そういうことを子どもに伝えることは至難かもしれませんが、そんなことを教えてくれる先生に出会えていれば、私の数学アレルギーもなかったかもしれません。
誰だって、一番最初に数の法則を見出した時には、感動と歓喜を経験したはずです。
数学に限った話ではありませんが、学びは歓びや楽しさとともにあるのが本来の姿だと思います。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのは最も初歩的な数字の絵本、「かず」です。
文:西内久典
絵:安野光雅
出版社:福音館書店
発行日:2006年7月1日特別製第3刷
数字や計算の絵本はいろいろありますが、この「かず」は1970年に初版発行され、その後特別製が発行されましたが、現在はちょっと手に入りにくいので取り上げました。
「ふしぎなえ」などを手掛けた安野光雅さんの絵が好きだということもあります。
指を使って、いろんなものの数を数えます。
10以上の数についても、わかりやすく説明しています。
この種の絵本で注意してほしいのは、「おべんきょう」目線で読まないことです。
絵本は楽しむもの。
安野さんのイラストと、指を使う「遊び」を楽しめば、それでいいのです。
私のような数学嫌いの不幸な子が、ひとりでも減ることを祈っております。
推奨年齢:2歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆☆☆
説明の丁寧さ度:☆☆☆
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