2017.01.19 Thursday
絵本の紹介「わにがわになる」
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
すぐれた絵本には、文章に韻を踏ませ、声に出して読んだときに心地よいリズムとなるよう、計算されたものが多くあります。
音楽的本能に訴えかけるのか、子どもは韻を踏んだ言葉の響きが大好きです。
いわゆる「ダジャレ」も、そういう言葉遊びのひとつです。
大人になると笑えなくなるような(そうでもない中高年男性も大勢いらっしゃいますが)くだらないものでも、多少無理があるものでも、子どもは大いに笑います。
それはダジャレの出来不出来を頭で考えているからではなく、耳に響く感覚で楽しんでいるからでしょう。
今回紹介するのは、そんなダジャレ絵本、「わにがわになる」です。
作・絵:多田ヒロシ
出版社:こぐま社
発行日:1977年2月10日
タイトルそのものがダジャレですが、ユーモラスな絵がその言葉の状況を説明することによって、二重に楽しめます。
「はこをはこぶ」
「ねこがねころぶ」
「うまがうまれる」
とか、うっかり大人が使うと軽蔑の眼差しか冷笑を向けられそうな、まごうことなき「ダジャレ」の数々。
大丈夫です、子どもはちゃんと笑ってくれますから。
あれはうちの息子が1歳半くらいの時でしたか、出し抜けに、
「だっこ、ぺちゃんこ、れいぞうこ」
と口走り、自分でゲラゲラ笑い出したことがあります。
こっちは親バカなものですから、
「え、なにそれ、ラップ? ラッパーの才能が?」
と夫婦で大騒ぎ。
でも考えてみればラップだってダジャレの一種です。
言葉は単に何かを意味するだけの「記号」ではなく、もっと人間の生命そのものに響きをわたらせる力のある「音」です。
自信を持ってダジャレを飛ばしましょう(周囲の反応に責任は持てませんが)。
推奨年齢:0歳〜
読み聞かせ難易度:☆
ベタベタ度:☆☆☆☆☆
■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。
■絵本の買取依頼もお待ちしております。
絵本専門の古本屋 えほにずむ
〒578-0981
大阪府東大阪市島之内2-12-43
E-Mail:book@ehonizm.com