絵本の紹介「ぐりとぐらのおきゃくさま」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

クリスマス絵本特集第5回は、おなじみ超ロングセラーシリーズより、「ぐりとぐらのおきゃくさま」(文:中川李枝子、絵:山脇百合子、福音館書店)を紹介します。

マント姿がかわいいぐり&ぐら。

ぐりとぐら」シリーズについての考察は過去記事をお読みください。

 

≫絵本の紹介「ぐりとぐら」

 

シリーズ屈指の人気を誇るこの作品ですが、ミステリー絵本仕立てになっているのが特徴です。

そう、子どもにとって、これは初めての「推理探偵」物語になるかもしれません。

事件は謎の足跡から。

これは おとしあなじゃない。 あしあとだぞ

うん、たしかに ながぐつの あとだ

きつねかな

きつねより おおきいよ

と、ちゃんと論理的推理を進めるぐりとぐら。

足跡を追跡していくと、なぜか自分たちの家にたどり着きます。

謎が謎を呼ぶ展開。

 

玄関には巨大な長靴が、そして部屋に入ると、真っ赤なオーバー、真っ白な襟巻、真っ赤な帽子が次々に見つかります。

ヒントが小出しされるところも、ミステリーの王道です。

 

お客様は寝室にもいない、お風呂にもいない。

その時、カステラを焼くいい匂いがしてきて、2ひきが台所へ飛んでいくと、真っ赤なズボンのおじいさんが、でっかいクリスマスケーキを焼いていたのでした。

もちろん、お客様の正体はあのお方なわけですが、このおじいさん、妙に顔が若々しく、最後に衣装をフル装備するまで、一目で「サンタさん」と判別するのは難しくなっています。

そして結局最後まで「サンタクロース」という単語は出てきません。

 

もちろん、これらはすべて作者の二人による計算です。

状況証拠を積み重ねて真実に近づいていく「謎解き」の楽しみを、丁寧に構築しているのです。

 

もう一度表紙に戻ってください。

タイトルは「ぐりとぐらのおきゃくさま」。

モミの木の絵はあるけれども、飾りつけがあるわけでもなく、これが「クリスマスの絵本」であることは、初見ではわかりません。

ちゃんとネタバレにも気を使っているんですね。

 

そして、最後まで文中で明らかにされないおじいさんの正体は、子どもに「自分だけが解き明かした真実」という歓びを与えます(単なる不法侵入者のおじいさんかもしれないじゃないか、という大人の突っ込みは無視)。

 

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

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