【絵本の紹介】「アンディとらいおん」【372冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は古典名作「アンディとらいおん」を紹介しましょう。

作・絵:ジェームズ・ドーハーティ

訳:村岡花子

出版社:福音館書店

発行日:1961年8月1日

 

日本での発行は1961年ですが、アメリカで発表されたのは1938年ですから古典中の古典です。

しかし今なお古さを感じさせない抜群の面白さで、何と言っても躍動感あふれる絵が魅力的です。

見てください、主人公の少年、ライオン、犬の手足の動き。

一枚一枚のカットは静止画でありながら、間違いなく動いています。

 

何というか、開拓時代のアメリカのあくなきエネルギーや人々の生命力がずんずん伝わってくるんですね。

今、ニューヨークはCOVID-19で大変な状況にありますが、この絵本のようないい意味でのアメリカ的底力があれば、必ずまた復活するはずだと信じられます。

 

79ページというと長く感じますけど、あっという間に読めます。

テキストは短く、むしろ絵を読む比重のほうが大きいです。

 

アンディ少年は図書館でライオンの本を借り、夢中になって読みふけります。

お父さんが読んでる新聞にはさりげなく「らいおんにげだす サーカス」の見出し。

その日はおじいさんにライオン狩りの話を聞き、ライオンの夢を見、次の日になってもずっと頭の中はライオンのことばかり。

アンディはそのまま犬のプリンスと一緒にライオンの本を持って登校します。

 

ちなみにアンディは裸足です。

当たり前だったんでしょうか。

 

さて、道の途中でアンディは岩の陰から変なものが見えているのに気づきます。

なんとそれはライオンの尻尾。

たまげたアンディは逃げようとしますが、ライオンも同じように動くのでお互い立ち往生。

くたびれてへたり込んだ時、アンディはライオンの前足にとげが刺さっているのに気づきます。

アンディは持っていたくぎ抜きを使い、ライオンのとげを抜いてやります。

ライオンは喜んでアンディの顔を舐め、二人は別れます。

 

さて、それからアンディの町にサーカスがやってきます。

アンディはライオンの芸当を楽しみにして見物に行きます。

 

ところが芸の途中で、いっぴきのライオンが柵を飛び越して観客席に踊り込み、人々は大パニック。

ライオンはアンディの目の前に来て、アンディは「もう おしまいだ」と観念します。

しかしなんと、それはアンディが助けてやったあのライオンだったのです。

ライオンの方でもアンディをすぐに思い出し、二人は大喜びで踊り出します。

 

アンディはライオンを捕まえようとする人たちからライオンを庇うように立ち、「この らいおんを ひどいめに あわせないでください! これは、ぼくの ともだちです」と叫びます。

 

騒ぎは収まり、アンディは市長から表彰されます。

 

★      ★      ★

 

痛快な物語ですけど、個人的には前半部分が大好きなんです。

夢中になって本を読む子どもの姿が、とてもいい。

 

一つの考えに取りつかれて、もう何をしていてもそのことで頭がいっぱい。

子ども特有の集中のかたち。

 

ご飯を食べながら、床に寝そべりながら本に没入するアンディの恰好は、作者がよく子どもの姿を捉えていると思います。

我が家の息子もあんな姿勢で読んでます。

 

特に昔は子どもの娯楽なんて少なかったから、本に向かうエネルギーというのは現代の子どもの比ではなかったろうと思います。

テレビ有害説というのは散々言われてきて、それでも止めることはできず、でも結局はスマホやPCの動画に取って代わられてテレビそのものは衰退期を迎えています。

 

その間も、そしてこれからも、この「アンディとらいおん」のようなロングセラー絵本は残り続け、読まれ続けます。

何が子どもにとって重要なのか、それはいくら時代が目まぐるしく変わろうとも、長い時間を経なければ答えが出せない問題だろうと思います。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

プリンスの勇敢度:☆

 

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