【絵本の紹介】「おばけのバーバパパ」【339冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は誰でも知ってる世界的人気キャラクター「バーバパパ」を取り上げます。

その誕生秘話が読める第一作「おばけのバーバパパ」です。

作・絵:アネット・チゾン&タラス・テイラー

訳:山下明生

出版社:偕成社

発行日:1972年6月

 

誰でも知ってるとは思いますが、それはアニメキャラクターとしての「バーバパパファミリー」であって、絵本作品としては意外と読んだことのない人も多いかもしれません。

けれど、単なる「キャラクターもの」と侮るなかれ。

その秀逸なキャラクターデザインと設定だけではなく、画面構成や物語のテンポにおいても、非常に成功している良作なのです。

 

さて、「知ってるけど意外と知らない」バーバパパ。

まず根本的な事実を挙げますと、バーバパパは私たちが想像するところのいわゆる「おばけ」ではありません。

 

幽霊じゃないし、宇宙人でもない。

突然変異のような、そうでもないような。

 

フランソワ」少年が庭で花に水やりをしていると、地中からバーバパパが誕生します。

文では何も説明はないけれど、絵を見ると地中で少しづつ成長する謎の生命体が確認できます。

 

桃色の綿菓子のようなフワフワの巨体。

フランソワはすぐにバーバパパと仲良くなりますが、フランソワのお母さんはバーバパパは大きすぎて家には置いておけないと言います。

泣く泣くバーバパパは動物園に引き取られます。

自由に形を変えられる能力を持つバーバパパは、檻を抜け出し、他の動物とコミュニケーションを取ろうと模索しますがうまくいきません。

園長に怒られ、動物園からも追い出されます。

 

行き場がなく、途方に暮れるバーバパパ。

その時火事が起こり、バーバパパは自らを非常階段に変形させ、人々を救助します。

さらに動物園から逃げ出したひょうを捕獲。

大活躍が認められ、バーバパパは町の人気者になります。

晴れてバーバパパはフランソワの家に戻り、フランソワのお父さんが作ってくれた家に住むことになります。

 

その後もバーバパパは公園で色んな遊具に変形して子どもたちと遊ぶのでした。

 

★      ★      ★

 

作者のアネットさんとタラスさんは夫婦です。

バーバパパ 」とは仏語で「パパのヒゲ」転じて「わたあめ」を差す言葉だそうです。

邦題に「おばけの」と加えたのは訳者の山下明生さんで、あの藤子不二雄の漫画を意識したのだとか。

 

この作品が世界中で爆発的人気を得た理由は、何と言ってもバーバパパのメタモルフォーゼ能力の楽しさ・痛快さでしょう。

雲のように水のように自由自在に姿を変えられるバーバパパは、人間の空想力を可視化したようなキャラクターです。

 

その視点から読むと、バーバパパが異端視され、迫害されるのは「自由で柔軟な想像力」に対する人々の冷たい目線を現わしているとも取れます。

しかし結局のところ、社会は想像力によって支えられているのです。

 

想像力という能力の個人差について、現代社会はほとんど黙殺しています。

勉強にしろスポーツにしろ、学校教育は数値化できるもの・可視化できるものだけを評価しています。

しかしその一方で「見えない能力」の差は、もはや埋めることが絶望的に困難なまでに広がっているように感じます。

 

人気シリーズ化された「バーバパパ」は、結婚し、家庭を築き、その活躍はさらに広域に及んでいきます。

やがては環境問題や教育問題などに警鐘を鳴らす存在となっていくのは、そのキャラクター性から考えればごく自然なことなのかもしれません。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

眉毛なのかまつ毛なのか度:☆☆☆☆☆

 

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