【絵本の紹介】「あおいめくろいめちゃいろのめ」【324冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

昨年逝去された日本絵本界の長老・加古里子(かこさとし)さん。

「だるまちゃん」シリーズ、「からすのパンやさん」シリーズ、そしてたくさんの科学絵本。

 

加古さんの一切の妥協のない仕事によって完成された絵本はどれも子どもの心を捉えて離さないクオリティであり、私自身も子どもの頃に加古さん絵本に親しんできた一人です。

 

ただ、そんな面白い加古さん絵本の中にたった一冊、子どもの私にとってトラウマとなった作品が存在するのです。

それが今回紹介する「あおいめくろいめちゃいろのめ」なのです。

作・絵:かこさとし

出版社:偕成社

発行日:1972年12月

 

誤解のないように先に言っておきますが、全然怖い話ではありません。

加古さんらしい「遊び歌」がふんだんに盛り込まれた楽しい内容で、加古さんにはちょっと珍しい切り絵によるキャラクターも、シンプルでありながら表情豊かです。

 

私のトラウマについては後述するとして、先にざっと読んでみましょう。

あおい めの めりーちゃん

くろい めの たろーちゃん

ちゃいろの めの ばぶちゃん

が集まってかくれんぼを始めます。

ところが、鬼になっためりーちゃんは二人を見つけられず、しまいに怖くなって泣き出してしまいます。

そこでかくれんぼはやめにして、どろんこ遊びを始めます。

 

しかし今度は土の中から出てきた虫を怖がって、たろーちゃんが泣いてしまいます。

で、今度はしゃぼんだま遊び。

これもやっぱり、液を飲んでしまったばぶちゃんが泣きだして中止。

 

誰も泣かない、怖がらない遊びを三人で協議した結果、最後は電車遊びになります。

ところがくぐって行こうとした草やぶの中にハチの巣があったから大変。

三人ともハチに追いかけられ、刺されてしまい、大泣き。

 

泣いて泣いて泣いて、とうとう三人とも「あかいめ」になってしまいましたとさ。

 

★      ★      ★

 

加古さんは各地の遊び歌の研究をライフワークにされており、彼の絵本の中には遊び歌がたくさん登場します。

この作品はそんな一種の遊び歌絵本とも言えます。

 

そして子ども同士の遊びにもちゃんと存在する民主主義のような話し合い、役割分担、誰かが泣いたらおしまいというルールが描かれています。

加古さんが時代を越えて残したいと願ったものがここにあるのです。

 

そう、素晴らしい絵本なのです……が、子どもの私には、「めりーちゃん」「たろーちゃん」「ばぶちゃん」の円形のぐるぐるした目がどうしても不気味だったんです。

ときどき目が寄ったり離れたりする様子も爬虫類っぽくて。

 

極めつけはラストの泣きはらした赤い目。

涙が血みたいで、何とも言えない不安を呼び起こすカットでした。

 

すいません、加古先生。

でも、そんな子どもならではの様々なイメージを心に残すのも絵本の楽しみの一つかもしれません。

実際、怖がりながら何度もこの絵本を開いた記憶があります。

 

「あとがき」で、加古さんがこの絵本を作るに至った経緯を語ってくれています。

子どもの頃には見もしなかった「あとがき」を、大人になってから初めて読むというのも、絵本ならではの感慨深さがあります。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

今読んでも怖い度:☆

 

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