【絵本の紹介】「ねずみのいもほり」【275冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

天気が悪い日が多かったり、なんか暑かったり、あんまり秋を感じられない気がしますが、それでも昨日息子と公園で見た夕焼け空は秋らしい美しさでした。

今回は山下明生さん・いわむらかずおさんによる「7つごねずみ」シリーズより「ねずみのいもほり」を紹介します。

作:山下明生

絵:いわむらかずお

出版社:ひさかたチャイルド

発行日:1984年8月

 

かなり久しぶりの登場ですが、以前に冬のお話「ねずみのさかなつり」を取り上げたことがあります。

≫絵本の紹介「ねずみのさかなつり」

 

ねずみの大家族を描くいわむらさんの代表作「14ひきのシリーズ」と設定・絵ともに酷似しています。

上の記事でも触れていますが、違いは「7つご」の方は自然に近い田舎暮らしで、他の動物たちとも交流があり、学校にも通っている点です。

 

山下さんがいわむらさんの絵の良さを最大限に発揮できる設定で物語を作っているとも言えます。

素朴な田舎暮らし、自然との共生、懐かしい温かさなどが伝わってきます。

 

ねずみのさかなつり」ではお母さんが活躍しますが、今回はお父さんの出番。

いもほりたいかい」に7つごたちを連れて参加します。

いもほり用のスコップはお父さんの手製です。

7人分作るのは大変だったでしょうな。

道中、このスコップが色々な使い方で役立ちます。

ホッピングにして「ぴょんぴょんとび」、持ち手をロープに通して「ケーブルカー」。

 

この辺りも、今のモノがあふれた時代では思いつかない遊びの数々です。

本来、子どもは棒一本あればいくらでも遊べると言いますが、今はどうでしょうね。

さて、いもほり大会は見事に7つごチームの優勝。

お父さんもびっくりの大きなおいもを掘り出します。

 

お母さんにもこのおいもを見せてあげたいけど、どうやって持ち帰るかが問題。

そこでまたまたお父さんがDIY力を発揮して……。

おいものカヌーで川を下って帰ります。

スコップはオールになります。

 

★      ★      ★

 

うちの息子もいつの間にか5歳。

こういう絵本を読むと、「そうだ、そろそろ芋掘りも経験させてやらないと」と気づきます。

 

土に触れるというのは大人が考える以上に、人間にとって重要な行為だと思います。

大げさな言い方に聞こえるかもしれませんけど、地中に手を入れることは地球の内部に触れるということです。

自分が踏みしめて立っている大地の下には、生命を成り立たせている力が潜んでいるのだと感じる行為です。

 

土を掘ればそこには植物の根が張っており、驚くほどの強靭さで地上部分を支えています。

植物は太陽と、そして地球の両方から生命力を得ており、そしてその力は巡り巡って人間に辿り着きます。

 

芋掘りはそういうことを直観として理解するのに良い機会です。

これは教科書で得る知識とは全く別物ですから。

 

うちの息子も、土に触れるのは大好きです。

公園に連れて行くと、地面にべったり顔までつけて、ひたすらに砂を触り続けます。

体中に砂をこすりつけて、地面に潜る気なんじゃないかと思ってしまいます。

そういう姿を見ていると、やっぱり人間は無意識に地球の力に引き寄せられているのだという気がします。

 

でも、夢中になって砂をまき散らすので、周囲の子どもたちや親御さんたちに嫌な顔をされることもしばしばです。

この場を借りてお詫び申し上げます。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

スコップ万能度:☆☆☆☆☆

 

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