2016.11.07 Monday
絵本の紹介「14ひきのひっこし」
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今回紹介する絵本は、「14ひきのひっこし」です。
「おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい 10ぴき。ぼくらは みんなで 14ひき かぞく」
の決まり文句で始まる、ねずみの大家族の日常を描いた人気シリーズ。
これはその最初の作品です。
実際には第二作「14ひきのあさごはん」と同時発売ですが、物語の時系列としてはこちらが先になります。
世界各国で翻訳出版されており、特にフランスで人気だそうです。
14ひきが、新しい住処を探して旅を続け、大きな木の根元に素敵な家を作るお話。
このシリーズの(というか、いわむらさんの絵本の)魅力は、何といっても繊細に描き込まれた美しい自然の描写でしょう。
小さなねずみの視点で描くことによって、日本の里山風景がいっそう雄大に感じられます。
家族で力を合わせて住居を作り、食べ物を集め、冬に備えます。
ただ生活するということが、尊く、美しい命の営みであることを教えられる気になりますね。
14ひきにはそれぞれ性格付けがされていて、いろんな場面で誰がどんな行動しているかに注意してみるのも、この絵本の楽しみのひとつです(にっくんは力持ちで、ごうくんは高いところが好き、など)。
日本にはこんなに美しい自然があるということも、家族で食卓を囲む歓びも、慌ただしい都会に暮らしていると忘れそうになります。
最近では、都会から田舎へ生活圏を移すUターンやIターンと呼ばれる現象が、若い世代にも見られるようです。
誰もが、心のどこかでは、こうした生活に憧れを抱いているのかもしれません。
作者のいわむらさんは、栃木にある「えほんの丘」(いわむらさんの美術館や農場がある里山。いつか行ってみたい!)で農業をしながら創作活動をされています。
あの美しい自然や、ぬくもりの感じられる生活の描写も、いわむらさんご自身の体験によるものなのでしょう。
■えほにずむでは、いわむらさんの他の作品も多数取り扱っております。
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