絵本の紹介「14ひきのひっこし」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介する絵本は、「14ひきのひっこし」です。

おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そして きょうだい 10ぴき。ぼくらは みんなで 14ひき かぞく

の決まり文句で始まる、ねずみの大家族の日常を描いた人気シリーズ。

これはその最初の作品です。

実際には第二作「14ひきのあさごはん」と同時発売ですが、物語の時系列としてはこちらが先になります。

世界各国で翻訳出版されており、特にフランスで人気だそうです。

 

14ひきが、新しい住処を探して旅を続け、大きな木の根元に素敵な家を作るお話。

このシリーズの(というか、いわむらさんの絵本の)魅力は、何といっても繊細に描き込まれた美しい自然の描写でしょう。

小さなねずみの視点で描くことによって、日本の里山風景がいっそう雄大に感じられます。

 

家族で力を合わせて住居を作り、食べ物を集め、冬に備えます。

ただ生活するということが、尊く、美しい命の営みであることを教えられる気になりますね。

14ひきにはそれぞれ性格付けがされていて、いろんな場面で誰がどんな行動しているかに注意してみるのも、この絵本の楽しみのひとつです(にっくんは力持ちで、ごうくんは高いところが好き、など)。

 

日本にはこんなに美しい自然があるということも、家族で食卓を囲む歓びも、慌ただしい都会に暮らしていると忘れそうになります。

最近では、都会から田舎へ生活圏を移すUターンやIターンと呼ばれる現象が、若い世代にも見られるようです。

誰もが、心のどこかでは、こうした生活に憧れを抱いているのかもしれません。

 

作者のいわむらさんは、栃木にある「えほんの丘」(いわむらさんの美術館や農場がある里山。いつか行ってみたい!)で農業をしながら創作活動をされています。

あの美しい自然や、ぬくもりの感じられる生活の描写も、いわむらさんご自身の体験によるものなのでしょう。

 

■えほにずむでは、いわむらさんの他の作品も多数取り扱っております。

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

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