読み聞かせという英才教育

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は、日本ではあまり(というか全然)知られていない話を紹介します。

 

韓国の出版業界では、2000年代以降、絵本・児童書が急速な成長を見せています。

1990年ごろに「こどものとも」編集長の松居直さんが韓国に渡った時、そこで力のある絵本作家が育ちつつあるのを実感したそうですが、それから現在に至るまでの間に、新人作家の台頭はもちろん、出版社の製本・印刷技術も比べ物にならないほど向上したようです。

 

これは、出版社や親世代の、子どもの教育に関する意識の高まりの結果ですが、その火付け役となったのは、ある出版社の男性が世に出した育児本です。

 

その男性は息子に、早期の集中的な絵本読み聞かせを実践したのですが、その結果、息子は非常な本好きとなり、速読を身に付け、小学生にして百科事典の記述違いを訂正するアルバイトをこなしたそうです。

この逸話が韓国メディアで取り上げられ、反響を呼びました。

 

彼の本を読んで感銘を受けたキム・ソンミさんという女性がいます。

彼女もまた、娘のハウンに読み聞かせを行いました。

 

ハウンはやはり早くに読書を覚え、母国語に加えて英語を操り、中学生にして、大学教授らに交じって科学セミナーに参加し、その後に発表した感想論文では、並みいる大人を退けて堂々の最優秀賞に輝きました。

ここで特筆すべきは、ハウンの英才ぶりは学問的な分野だけにとどまらないということです。
彼女は何でも独学で身に付けてしまうのです。

娘が音楽に興味を持ったというので、キム・ソンミさんがギターを一本買い与えると、ハウンは演奏法や譜面の本を読み漁り、あっという間にギターを弾きこなします。
ダンスに興味を持てば、ダンスの動画をただじっと観ているだけで、プロ顔負けの踊りっぷりを披露して、母親を驚かせます。

並外れた集中力・記憶力・理解力・想像力・模倣力のなせる業ですが、これらの能力はやはり、読み聞かせによる効果なのです。

 

もちろん、ただ漠然と読み聞かせていても、ここまでの成果は望めません。

彼女らの読み聞かせの法則は、

・生後半年以内のごく早い時期から

・とにかくたくさんのジャンルの絵本を

・何度でも繰り返して

読み聞かせるということです。

 

私自身も息子に1000冊以上の読み聞かせを行いましたが、彼女らの話を大いに参考にしています。

 

≫3歳までに絵本を1000冊読み聞かせたら

≫絵本でつながるコミュニケーション

 

日本でも子どもの教育についてはやかましく言われていますが、学校教育はすでに行き詰まりを見せているように思います。

というより、学校のシステムを問題にするより、就学以前の家庭環境を問題視すべきではないでしょうか。

 

個人的には、血眼になって子どもに塾通いをさせる時代はもう終わりのような気がします。

それよりも、もっと人間的な能力の開花に目を向けるべきでしょう。

 

日本でも、これからもっと絵本の読み聞かせが見直される時代が来る……というのは、絵本屋の希望的観測でしょうか?

 

 

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