【絵本の紹介】「ともだちや」【246冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

我が家の息子(4)は幼稚園や保育所に通っていないので、およそ友達と呼べる相手はまだいません。

公園などで同じくらいの年の子どもと一緒に遊ぶことはあります。

 

しかし、当たり前の話かもしれませんが、その遊び方は超絶自己中心的。

大体、相手の持っているおもちゃだけが目当てだったり、ほんのひと時一緒に遊んでも、すぐに自分の世界に戻って、もう見向きもしなかったり。

 

やっぱりもっとたくさんの友達体験をさせるべきでしょうか。

心配な気もするし、焦ってもしょうがない気もするし。

 

子どもの頃の友達は何物にも代えがたい宝物だと言いますし、それはその通りだとは思いますが、しかし一方で子どもの友達付き合いは、互いの未成熟ゆえに不安定で歪な面が大きいもの。

小学生くらいの子どもたちを観察していると、彼らの関係性は、けっして大人たちが(自分たちの子ども時代を忘れて)目を細めるような牧歌的なものではありません。

 

むき出しの自己、危うい自己肯定感、攻撃性、不寛容、依存心……それらが常にぶつかり合い、形容しがたい緊張状態に晒されています。

もちろん、そういう摩擦の中で互いに学び、真にぬくもりのある対等な信頼関係を構築できれば、それは一生の宝物になるでしょう。

 

私個人は、子どもの頃のような友人関係をもう一度持ちたいとは思いません。

精神的にハードすぎます。

ノスタルジィから「あの頃の友達は最高だった」と言う気持ちは理解できますけど、たぶん大人になってからではあの関係はとても「もたない」でしょう。

 

前置きが長くなりましたが、今回紹介する絵本は「ともだちや」です。

作:内田麟太郎

絵:降矢なな

出版社:偕成社

発行日:1998年1月

 

20年間で全11冊(たぶん完結)が描かれた人気シリーズ「おれたち、ともだち!」。

子どもたちにもわかりやすい形で「ともだち」をテーマにしています。

 

物語の案内役的存在であるミミズクのじいさんの独り言から始まります。

いちじかん ひゃくえん」で寂しい人の友達になるという変わった商売を始めたキツネ。

そこに声をかけたのは、一匹のオオカミ。

ちょっと怖そうですが、オオカミは普通にトランプの相手をしろ、と言います。

ひとしきり遊んだ後、キツネがお代を要求すると……。

この顔。

食べられてしまうのかとドキッとしますが、オオカミは「おまえは、ともだちから かねを とるのか」と憤慨。

 

オオカミは最初からキツネを「ともだちや」としてではなく、「ともだち」として呼んでいたのです。

 

二人は明日も明後日も遊ぶ約束をし、キツネはスキップしながら帰ります。

 

★      ★      ★

 

実はキツネは「もりいちばんの さびしんぼう」で、友だちが欲しかったのだというお話。

不器用ですね。

 

リアクションにヒリヒリ感のあるオオカミは、子どもたちにとってまさに未知の恐怖や魅力を持った「ともだち」です。

今後、キツネとオオカミは上手くやっていけるのでしょうか。

それは、続編を読み進めていくとわかります。

シリーズ通して読むと、徐々に関係を深めていく二人への共感が湧いてきます。

 

しかし、今では「ともだちや」なんて商売も当たり前に成立しそうですねえ。

いや、すでに成立してるのかな。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

オオカミのオーバーアクション度:☆☆☆☆☆

 

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