2016.10.28 Friday
絵本でつながるコミュニケーション
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
昨日から読書週間だそうですね。
我が家は年中無休で読み聞かせ中ですので、特に意識することもありません。
一日に読み聞かせる量ですが、別に決めてませんし、息子次第です。
最近は電車図鑑ばっかり見てますので、あんまり絵本をリクエストしてはきませんね。
それでも、新しい絵本を仕入れてくると、必ず一度は読んでもらいたがります。
子ども部屋の本棚は、息子が自分で手が届く高さにしてあります。
たまに自分で引っ張り出して黙読してます。
ただ、文字が読めるからといって、「自分で読みなさい」とは絶対に言いません。
そもそも、絵本というものは、本来自分で読む本ではないんですね。
「読んでもらう」人間と「読んであげる」人間がいて、初めて絵本は真の意味で存在できます。
自分以外の誰かの存在が、絵本の本当の扉を開いてくれるのです。
文字を目で追うことと、絵に集中しながら耳でことばを聴くことの間には、それくらいの違いがあると思います。
すぐれた絵本は、「声に出して読む」時のことを考えて文章が練られています。
絵本をたくさん読み聞かせたら、2歳以前から自分で本を読めるようになった、という話をすると、「じゃあ、うちも」と、興味を持ってくれる人もいます。
しかし、
「でも、私自身はあんまり本が好きじゃないし、読み聞かせも下手だし……。正しい発音の朗読CDをかけっ放しにしておいた方がいいんじゃない? 楽だし」
という考えは、本末転倒です。
私も、初めは読み聞かせが下手でした。
今も下手です。
でも、3年間毎日読み聞かせているうちに、子どもの反応を感じ取る力はついたように思います。
初めのころはただただ一方通行だった読み聞かせが、子どもを観察しながら、退屈そうにしてたら声音を変えてみたり、絵に見入っていると思ったら長めに間を取ったり……といったことができるようになりました。
子どもの発する微細なシグナルを、ちゃんと聴いてあげること。
聴こうとしてあげること。
そうすれば、子どもは必ず自らを表現しようと、扉を開けて出てきます。
その時に、これまで耳から取り入れたことばを、今度は外に向かって解き放つのです。
絵本による親子の交流とは、こういうことだと思います。
コミュニケーションを学ぶのは子どもだけではなく、親も同じなのです。
いくら「正しい」朗読であっても、CDや動画から子どもがコミュニケーションを学ぶことはありません。
たとえつたない読み聞かせであったとしても、子どもはあなたの肉声を求めているのです。
他ならぬ自分に向けられたメッセージを聴き取ろうとしているのです。
この読書週間、「読む」以外にも、「読んであげる」「読んでもらう」楽しさにも触れてみませんか?
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親御さんの、愛情が溢れていて、いつも、ホッといたします。
愛情あふれるブログ読んでいて、癒やされます