絵本でつながるコミュニケーション

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

昨日から読書週間だそうですね。

我が家は年中無休で読み聞かせ中ですので、特に意識することもありません。

 

≫「3歳までに絵本を1000冊読み聞かせたら」

 

一日に読み聞かせる量ですが、別に決めてませんし、息子次第です。

最近は電車図鑑ばっかり見てますので、あんまり絵本をリクエストしてはきませんね。

それでも、新しい絵本を仕入れてくると、必ず一度は読んでもらいたがります。

 

子ども部屋の本棚は、息子が自分で手が届く高さにしてあります。

たまに自分で引っ張り出して黙読してます。

ただ、文字が読めるからといって、「自分で読みなさい」とは絶対に言いません。

そもそも、絵本というものは、本来自分で読む本ではないんですね。

 

「読んでもらう」人間と「読んであげる」人間がいて、初めて絵本は真の意味で存在できます。

自分以外の誰かの存在が、絵本の本当の扉を開いてくれるのです。

 

文字を目で追うことと、絵に集中しながら耳でことばを聴くことの間には、それくらいの違いがあると思います。

すぐれた絵本は、「声に出して読む」時のことを考えて文章が練られています。

絵本をたくさん読み聞かせたら、2歳以前から自分で本を読めるようになった、という話をすると、「じゃあ、うちも」と、興味を持ってくれる人もいます。

しかし、

でも、私自身はあんまり本が好きじゃないし、読み聞かせも下手だし……。正しい発音の朗読CDをかけっ放しにしておいた方がいいんじゃない? 楽だし

という考えは、本末転倒です。

 

私も、初めは読み聞かせが下手でした。

今も下手です。

でも、3年間毎日読み聞かせているうちに、子どもの反応を感じ取る力はついたように思います。

初めのころはただただ一方通行だった読み聞かせが、子どもを観察しながら、退屈そうにしてたら声音を変えてみたり、絵に見入っていると思ったら長めに間を取ったり……といったことができるようになりました。

 

子どもの発する微細なシグナルを、ちゃんと聴いてあげること。

聴こうとしてあげること。

そうすれば、子どもは必ず自らを表現しようと、扉を開けて出てきます。

その時に、これまで耳から取り入れたことばを、今度は外に向かって解き放つのです。

 

絵本による親子の交流とは、こういうことだと思います。

コミュニケーションを学ぶのは子どもだけではなく、親も同じなのです。

 

いくら「正しい」朗読であっても、CDや動画から子どもがコミュニケーションを学ぶことはありません。

たとえつたない読み聞かせであったとしても、子どもはあなたの肉声を求めているのです。

他ならぬ自分に向けられたメッセージを聴き取ろうとしているのです。

 

この読書週間、「読む」以外にも、「読んであげる」「読んでもらう」楽しさにも触れてみませんか?

 

 

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

絵本の買取依頼もお待ちしております。

 

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コメント

親御さんの、愛情が溢れていて、いつも、ホッといたします。
愛情あふれるブログ読んでいて、癒やされます

  • zizin.h
  • 2016/10/28 23:13

>zizin.h様
いつもコメント頂き、ありがとうございます。
励みになります。

  • えほにずむ
  • 2016/10/28 23:36