2017.10.24 Tuesday
【絵本の紹介】「14ひきのかぼちゃ」【194冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
もうすぐハロウィン。
すっかり国民的行事として定着した感がありますが、私が子どものころは、友だちの誰も知らないようなお祭りでした。
もともとは秋の収穫を祝う行事のはずなんですが、いつの間にかコスプレ祭りと認識されている気がします。
私がハロウィンを知っていたのは、スヌーピーの漫画『ピーナッツ』を読んでいたからで、そこにライナスがハロウィンの日にやってくる「かぼちゃ大王」なる存在を信じて、毎回かぼちゃ畑で待ちぼうけを食わされる、というお約束的エピソードがあるんですね。
アメリカではクリスマスと並んで子どもたちが楽しみにしているイベントのようです。
さて、今回紹介するのは「14ひきのかぼちゃ」です。
作・絵:いわむらかずお
出版社:童心社
発行日:1997年4月25日
突っ込まれる前に言っておきますが、かぼちゃ以外にハロウィンとの関連はありません。
スヌーピーも関係ありません。
無理矢理ハロウィンに繋げたかっただけ。
さて、久々に「14ひき」シリーズの登場となりました。
海外でも人気の高いいわむらさんの絵本。
過去記事と合わせてお読みください。
毎回美しい自然が描かれるシリーズですが、今回はおじいちゃんのかぼちゃの種を、みんなで植えて育てるというストーリー。
「これは かぼちゃの たね、いのちの つぶだよ」
と、大切そうに箱から種を取り出すおじいちゃんが印象的です。
種から芽が出るシーン。
まばゆい命の光が輝いているかのよう。
かぼちゃに「かぼちゃん」と名前を付け、みんなで世話をします。
嵐の日には、ずぶぬれになって守ります。
激しい嵐の場面の後には、静かな月夜の場面。
ゆっくりと育まれる命を感じさせます。
そしてついに実った、大きくて立派なかぼちゃ。
中身をくりぬいて、ずらりと並ぶかぼちゃ料理の数々。
苦労があったからこそ、収穫の喜びは大きい。
★ ★ ★
誰もが子どものころ、一度くらいは「種を植えてみた」経験があるのではないでしょうか。
私も公園に色んな種を埋めましたが、もちろん芽吹いたことは一度もありませんでした。
ただ埋めればいいってものじゃないですからね。
ちゃんとした知識と、そして根気が必要です。
私はそのどちらもない子どもで、ただ好奇心だけがありました。
でも、その好奇心がとても大切なのです。
その最初の衝動を大事に導き、真理に到達する喜びを与えてやるのが大人の務めだと思います。
正しく満たされた好奇心は、主体性につながります。
いずれ学校の授業でやるにしても、そこに主体性がなければ、それはただ言われたことをやっただけになります。
それでは生命の不思議さとか尊さを、心の深い部分に感じることはできないでしょう。
いずれ息子がそういうことに興味を持ちだした時に備えて、私も色々と勉強しておかなくてはと思っています。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆
おいしそう度:☆☆☆☆☆
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