【絵本の紹介】「ジュマンジ」【189冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

秋の長雨。

外に遊びに行くこともできず、家でゲームばかりしている子どもたちもいるかもしれません。

今ではゲームと言えばスマホなどの電子ゲームですが、双六に代表されるボードゲームの面白さは不滅だと思います。

 

ああいうのは、ちょっと工夫すれば自分で新しいものを作れるところがいいですね。

「もっと面白いゲームにならないかな」なんて考えながら。

 

そんな限りない空想を、オールスバーグさんが圧倒的な画力と構成力で作品化したのが、今回紹介する「ジュマンジ」です。

作・絵:クリス・バン・オールスバーグ

訳:辺見まさなお

出版社:ほるぷ出版

発行日:1984年7月15日

 

これはもう、映画の方が有名でしょうね。

これが原作なんですよ。

魔術師ガザージ氏の庭で」で衝撃的デビューを飾ったオールスバーグさんの2作目の絵本。

 

≫絵本の紹介「魔術師ガザージ氏の庭で」

 

細密に描かれたモノクロ画の中で、色彩感覚と奥行をリアルに喚起させる手法は、前作の時点ですでに確立されていました。

点描のように見えるのは粉を使っているようです。

 

そして計算された構図も、作者一流の技法です。

この「ジュマンジ」では、低い視点から見上げる構図が多く用いられていますが、それはつまり幼い読者の目線を想定しているということです。

巨大で迫力ある動物たちに対する不安感・恐怖感が否応なしにかき立てられます。

 

ストーリーは映画とは違いますが、「ボードゲーム内の出来事が、現実になる」という設定は同じです。

両親に留守番を言いつけられたピーターとジュディは、公園の木の根元で、「ジュマンジージャングル探検ゲーム」と書かれた箱を拾います。

持って帰って開けてみると、至って単純な双六ゲームのようで、ピーターはつまらなさそうにします。

しかし、注意書きには、「一度このゲームを始めると、誰かが上がりに辿り着かない限り、絶対に終わらない」ことが記されていました。

 

ともかく始めることにした二人。

ピーターがサイコロを振って進んだマスには、

ライオンがおそってきた

すると……

本当にピアノの上にライオンが現れ、襲い掛かってきます。

家じゅうを逃げ回り、どうにかゲームの部屋に戻ってきた二人は、このゲームのルールを悟ります。

 

とにかくゴールの「ジュマンジ」に辿り着かない限り、ゲームは終わらないのです。

さあ、そこからスリリングな「リアルすごろく」が始まります。

サルに台所を荒らされ、雨に降られ、サイが突進し、大蛇が忍び寄り……。

 

ついには火山が爆発し、溶岩が流れ出てきます。

そんな中で、やっとジュディがゴールに辿り着き、「ジュマンジ!」と叫ぶと……

騒ぎは静まり、めちゃめちゃになったはずの家も元通りになっていました。

二人は「ジュマンジ」を公園の木の根元に捨てます。

 

やがて両親が帰ってきて、平穏な日常に戻ったことを安心するも、窓の外では「ジュマンジ」の箱を抱えた二人の少年の姿が……。

 

★      ★      ★

 

近いうちに映画版「ジュマンジ」の続編だかリメイクだかが公開されるようです。

ファンの方は、一度原作も読んでみてはいかがでしょう。

 

うちの息子とこの前、宇宙についての本に付属していた「宇宙探索すごろく」なるものをやりました。

誰が作ったのか、物凄い難易度でして(ゴール前の「振り出しに戻る」の嵐とか)、一向に上がれません。

内心では早く止めたくて仕方なかったんですが、息子は飽きる様子もなく、延々とサイコロを振り続けます。

 

おかげで息子は、すっかりすごろくの基本ルールを身に付けたようです。

もう少し成長したら、自作のすごろくでも作ろうかと思います。

 

ところで、個人的な興味ですが、この絵本のライオン登場のシーンで、ピアノに広げてある譜面は何の曲でしょうか。

わかる人がいたら、教えて欲しいです。

 

推奨年齢:6歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆☆

ハラハラドキドキ度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「ジュマンジ

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