【絵本の紹介】「ぐりとぐらのかいすいよく」【165冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

8月に入って夏本番。

みんな大好き「ぐりとぐら」シリーズより、「ぐりとぐらのかいすいよく」を紹介します。

作:中川李枝子

絵:山脇百合子

出版社:福音館書店

発行日:1977年4月1日(こどものとも傑作集)

 

夏と言えば海。

海と言えば大冒険。

 

この絵本もそんな海の冒険物語……かと思いきや、例によって平和そのものなぐりぐらワールド。

不安も困難も障害も特になしの予定調和。

 

しかし、一応物語の筋としては、冒険仕立てになっているのです。

大人が読むと首を傾げたくなる展開も、絵本世界に沈潜し、ぐりとぐらに同化することのできる子どもたちにとっては、ワクワクするような大冒険を楽しめるのです。

 

でもやっぱり、大人目線の突っ込みを我慢できない……。

 

夏のビーチで遊ぶぐり&ぐら。

うさこちゃんとうみのうさこちゃんが悩殺もののトップレス水着だったのに比して、この2ひきはシマシマ柄のトップス水着を着用しております。 

 

≫絵本の紹介「うさこちゃんとうみ」

 

そこへ波に運ばれて流れ着いたのは、「とうもろこしの かわを おなかへ まいた びん」。

これは すてき、ぶどうしゅだ

と、飲酒経験をほのめかす発言をするぐり。

 

中を開けてみると、「てがみと ちずと うきぶくろ」。

海と手紙と地図。

これはもう冒険するしかありません。

 

手紙はなんと「うみぼうず」から。

そして、めっちゃアバウトな地図。

何故か現在地が表示されている不思議。

海を越えた先にある「しんじゅ・とうだい」に来てほしいとの内容。

 

海で泳ぐのは初めてらしいぐりとぐらは、浮袋に掴まって、「しんじゅ・とうだい」を目指します。

 

すると、手紙の主のうみぼうずが迎えに来ます。

なんというか、予想と全然違う。

思いっきり人間やんけ。

 

しんじゅ・とうだい」は、「そびえたつ いわに かこまれた すなはま」にありました。

しんじゅの ランプ」を磨くのがこのうみぼうずさんの仕事だそうです。

 

彼はその大切な真珠を、岩の隙間の穴に落としてしまって困っているのでした。

ぼくたちが ひろってきてあげよう

と、ぐりとぐら。

 

さあ、どんな冒険が待ち受けているか……?

と思ったら、次のページで回収終了。

 

安心のぐりぐらワールド。

 

さて、うみぼうずはお礼に、2ひきに華麗な泳ぎを披露してくれます。

いぬかき」「くらげ・およぎ」「くじら・およぎ」「バタフライ」「ひらめ・およぎ」「かえる・およぎ」最後に「イルカ・ジャンプ」。

 

自分たちも泳いでみたくなった2ひきは、うみぼうずに教えてもらって、泳ぎをマスターします。

 

★      ★      ★

 

この独創的すぎる「うみぼうず」は、作者の中川さんの通うスイミングスクールのインストラクターがモデルなんだそうです。

なるほど、後半のうみぼうずは、完全に「泳ぎの先生」ですものね。

 

ぐりとぐらの泳ぎのセンスも驚異的です。

しかし、「くじら・およぎ」だけは、真似しないほうが良さそうですな。

 

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推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

うみぼうずの爽やかさ度:☆☆☆☆☆

 

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