2017.07.18 Tuesday
【絵本の紹介】「かばんうりのガラゴ」【157冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今回紹介するのは「かばんうりのガラゴ」です。
作・絵:島田ゆか
出版社:文溪堂
発行日:1997年11月
カナダ在住の日本人作家・島田ゆかさんによる「バムとケロ」に並ぶもうひとつの大人気シリーズです。
ユニークで可愛いキャラクター、遊び心満載のイラスト。
そして他の島田さん絵本との関連を探すのも楽しみの一つです。
「ガラゴは たびする かばんやです」
「いつも みぎとひだり いろのちがう くつをはいて」
「かばんを うってあるきます」
という設定。
さて、このガラゴのかばんですが、もちろんただのかばんではありません。
様々なお客さんの要望に合わせてガラゴが用意するのは、どれも変わった機能を持つ面白かばん。
犬の兄弟になるかばん、ライオンのたてがみになるかばん、ピアノのかばん、やかんのかばん……。
もはや「かばん」である必要について考えてしまうくらい、何でもありの品ぞろえ。
そして、お客さんは誰一人お金を払いません。
すべては物々交換によって取引されるわらしべ長者的システム。
それらのアイテムが、ちゃんと後々役に立っているところも見逃せません。
ライオンが置いて行ったスイカはガラゴのおひるごはんになり、残った皮はおたまじゃくしの水槽になります。
夜になると、ガラゴは自身のかばんをベッドにして眠ります。
★ ★ ★
ガラゴのモデルはアフリカに生息する「ショウガラゴ」(ブッシュベイビーとも)というサル科動物だと思います。
この絵本の楽しみは、とにかく絵の隅々まで見ること。
これに尽きます。
かばんの仕掛けはもちろん、ガラゴと行動を共にする小さな白いイヌとウサギを探したり、ガラゴの表情と同調するマグカップや、時々動く犬の写真(バム?)、本当に細かいところまで遊びが詰まっています。
また、「バムとケロ」シリーズとの関連を匂わせる描写もあり、他の島田さん作品を通読することによる新たな発見も。
こういうのは絵本作家のファンサービスと言えるでしょう。
あまりここで一つ一つ挙げていくのは野暮なので、ぜひ自分で探してみて欲しいのですが、ひとつだけ。
ここに登場するカエルのお母さんは、「バムとケロ」のケロちゃんの母親っぽいのです。
ということは、ガラゴについてきたおたまじゃくしは……?
推奨年齢:4歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆☆
探し絵の楽しみ度:☆☆☆☆☆
■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「かばんうりのガラゴ」
■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧」
■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。
■絵本の買取依頼もお待ちしております。
〒578−0981
大阪府東大阪市島之内2−12−43
E-Mail:book@ehonizm.com