【絵本の紹介】「りんごかもしれない」【153冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回はここ数年、最も勢いと人気のある絵本作家・ヨシタケシンスケさんの、衝撃のデビュー作を紹介します。

りんごかもしれない」です。

作・絵:ヨシタケシンスケ

出版社:ブロンズ新社

発行日:2013年4月25日

 

もう、このタイトルと表紙イラストだけでも、ただごとじゃないセンスを感じます。

もともとヨシタケさんはイラストレーター出身で、児童書の挿絵の他、広告美術などの分野で活躍されていました。

独特の、なんともユルい線のとぼけた絵が特徴的。

 

しかし、何気ない日常から想像力でもって非日常の世界を紡ぎ出す、その目の付け所は実にシャープです。

 

テーブルの上にりんごがある。

しかしそれを見た少年は、

もしかしたら これは りんごじゃないのかもしれない

と、問題を提起。

 

そこから始まり、たった一個のりんごから、エンドレスな想像(妄想?)を繰り広げます。

もしかしたら おおきな サクランボの いちぶかもしれない

それか なかみは ぶどうゼリーなのかもしれない

あるいは むいても むいても かわかもしれない

 

……等々、「かもしれない」は果てしない知的広がりを見せます。

想像はあらぬ方向へ突き進み、読んでいる方はツッコミをいれたくなるやら、おかしいやら。

でも、笑いながらも「……かもしれない」と、心の奥で呟く自分にも気づかされます。

読み終われば、子どもも自分も、いっしょになって「かもしれない遊び」をしてしまうこと必至です。

 

★      ★      ★

 

こういう種類の笑いは、大人も子どもも関係ないのでしょう。

うちの息子も大ハマリでした。

 

どこか「ふまじめ」感漂う絵と内容ですが、これは立派な「哲学」です。

ぼくからみえない はんたいがわは ミカンかもしれない

なんてのは、完全に実在論についての思考です。

 

「かもしれない」はすべての哲学的思考の始まりであり、知性とは「かもしれない」と思える能力なのかもしれません(あ)。

 

この「りんごかもしれない」の爆発的ヒットに続き、出す絵本がことごとく売れているヨシタケさん。

常識に縛られず、新たな絵本の可能性を切り拓く姿勢が、人気の秘密でしょう。

 

この先も目が離せない作家さん「かもしれない」です。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆☆

「かもしれない」中毒度:☆☆☆☆☆

 

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