【絵本の紹介】「おじさんのかさ」【136冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今年も梅雨の季節がやってきましたね。

今回は雨の日にぴったりの絵本を紹介します。

おじさんのかさ」。

作・絵:佐野洋子

出版社:講談社

発行日:1992年5月28日

 

佐野洋子さんと言えばとにかく「100万回生きたねこ」が超がつくほど有名ですが(このブログでまだ取り上げてないのがびっくり。いずれ……)、もちろん他の作品も面白いです。

 

ヒゲにハットにコートという、正しい英国紳士風の「おじさん」。

これでステッキでも持ってれば完璧ですが、その代わりにおじさんが持っているのは傘。

くろくて ほそくて、ぴかぴかひかった つえのようでした

ところが、このおじさん、なかなかお茶目。

この立派な傘が好き過ぎて、雨の日でも絶対に差さないのです。

 

雨の中を、傘を抱いて走るおじさん。

知らない人の傘に、傘を持って入るおじさん。

 

ある日、公園のベンチで休んでいる時、雨が降ってきます。

もちろんおじさんは傘を差しません。

小さな男の子が「いっしょに いれてってよ」と頼んでも、聞こえないふり。

 

でも、そこへ傘を差した女の子が来て、男の子を入れてやります。

あめが ふったら ポンポロロン

あめが ふったら ピッチャンチャン

楽しそうに歌いながら歩いていく二人を見て、思わずおじさんは、傘を開いてしまいます。

すると、本当に雨の音がポンポロロン、と聞こえて、おじさんは嬉しくなって歩き出します。

楽しい気持ちで家に帰ったおじさんは、傘をつぼめて言います。

ぐっしょり ぬれたかさも いいもんだなあ。だいいち かさらしいじゃないか

 

★      ★      ★

 

雨って鬱陶しい。

濡れるし、ジメジメするし、予定は立てにくいし……。

 

でも、子どもにとっては、雨の日はひとつのイベントです

雨が降っている、ただそれだけでもう、非日常の世界なんですね。

傘を差したり、長靴を履いたりできるのも嬉しいみたいです。

 

そんな子どもを見ていると、ふと自分の価値観が固まってしまっていることに気づかされます。

 

このおじさんは傘マニアとでも言うのでしょうか。

いますよね、こういう人。

本来実用的であるはずの物を、大切にするあまり、使わないで飾っておいたり。

 

もちろんそれは本人の勝手ですが、やっぱりそれではその物の本当の良さは見えてこないのかもしれません。

 

物ならまだいいですが、自分の子どもに置き換えてみるとどうでしょう。

大切に、ケガさせないように、大事に育てているつもりで、その子の本来の輝きをしまい込んではいないでしょうか。

 

佐野さんの絵本には、いつも様々に読み取れるメッセージが込められています。

 

推奨年齢:5歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

おじさんのチャーミング度:☆☆☆☆☆

 

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