絵本の紹介「こぐまちゃんおはよう」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

古本屋をやっていると、本当に人気がある絵本がよくわかります。

そんなロングセラーシリーズ「こぐまちゃんえほん」より、第一作「こぐまちゃんおはよう」を紹介したいと思います。

同じ国内の人気シリーズでも、「ぐりとぐら」よりも、もっと小さな子どもに向けて作られています。

太い線、ぬいぐるみのようなキャラクター、はっきりした色使い。

明らかに「ミッフィー」シリーズの作者、ディック・ブルーナの影響を受けているとわかります。

 

このシリーズは絵を担当している若山さんのほか、「こぐま社」の創立者である佐藤英和さん、歌人の森比佐志さん、児童劇作家の和田義臣さんら四人による合作です。

佐藤さんが、ブルーナの描く「子どもがはじめて出会う本」の日本版を作りたいという想いから、こぐま社を代表するシリーズとして「こぐまちゃんえほん」を誕生させたそうです。

ですから、ブルーナの影響が色濃く出ているのは当然とも言えます。

赤・青・黄といった原色ではなく、中間色を用いているところに「和」を感じますね。

こぐまちゃん(2歳)の一日の生活を描きます。

起きて、顔を洗って、ご飯を食べて、遊んで……。

そのひとつひとつのシーンに、作者の4人が話し合い、合意を得てから制作に入るという熱の入れようです。

 

佐藤さんが特に気に入っているという、こぐまちゃんがうんちをする場面。

最も美しい排泄シーン」だとか。

 

これを見て、自分もおまるでうんちをしたがる子どもが続々現れたそうです。

……が、もちろん例外はあります(我が家のように)。

 

作家にとって、子どもは最も率直で、最も手ごわい読者と言えます。

大人の目はだませても、子どもの目はだませないのです。

それを知っている人々が作ったからこそ、内容はもちろんのこと、印刷、製本に至るまで、こだわり抜いて完成された絵本となっています。

まさに「子どもがはじめて出会う本」にふさわしいシリーズと言えるでしょう。

 

 

■「こぐまちゃんえほん」の中でも一番人気の「しろくまちゃんのほっとけーき

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コメント

こぐまちゃんの絵本は、知りませんでした。
ウンチをした場面綺麗かったです。
又、作り手側の、思いとか、店主さんが、説明されているので、分かり易いです。

  • zizin.h
  • 2016/10/20 09:57

>zizin.h様
ありがとうございます。
当時、出版社に「こぐまちゃんの使っているおまるはどこで売っていますか?」という問い合わせが殺到したそうです。

  • えほにずむ店主
  • 2016/10/20 12:22