【絵本の紹介】「ピーターのくちぶえ」【134冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

黒人の子どもって、どうしてあんなに可愛いのでしょうか。

特に、あの澄み切った大きな瞳。

 

今回は、黒人少年を主役にした絵本「ピーターのくちぶえ」を紹介します。

作・絵:エズラ・ジャック・キーツ

訳:木島始

出版社:偕成社

発行日:1974年2月

 

作者のキーツさんは、ニューヨークの貧民街育ちで、そのせいか下町の雰囲気を描くことに長けています。

幼いころより絵を描いていたそうですが、絵本作家としてのデビューは40代半ばを過ぎてからでした。

 

デビュー作「ゆきのひ」は、黒人の少年ピーターの雪の日の一人遊びを描いたもの。

そして、この「ピーターのくちぶえ」は、同じ主人公で描かれた続編という形になっています。

 

男の子が口笛で犬を呼ぶのを見たピーターは、自分も口笛が吹きたくてたまりません。

けれど、何度吹こうとしても、口笛は鳴りません。

ピーターは家に帰る道すがら、「ぐるぐるまわり」をやったり、チョークで道に線を引いたりして遊び、その合間にも口笛を試しますが、やっぱり鳴りません。

家に帰ると、お父さんの帽子をかぶって、大人になったつもりでまた口笛を吹こうとしますが、やっぱり駄目。

ピーターはダックスフントのウィリーを探しに、また外へ行きます。

自分の影法師から逃げ出そうとしたりしながら、ピーターはウィリーを見つけます。

そこで、空き箱に隠れて口笛を吹くと、突然成功します。

ピーターは得意絶頂で家に帰り、両親の前で口笛を披露します。

 

★      ★      ★

 

キーツさんの絵本の特徴は、貼り絵(コラージュ)と油彩の合成による、グラフィカルな画面構成です。

どのカットも、そのままポスターに使えそうな美しさがあります。

 

けれど、絵の楽しさばかりに目が行きがちですが、キーツさんが真に卓越しているところは、子どもの内面を的確に捉え、センチメンタルに流されることなく、それをありのまま描き出す描写力にあります。

 

口笛を練習しながら、一方でピーターは様々な一人遊びもします。

健全な子どもは、一時も休むことなく遊び続けるのです。

それは遊びにすら目的を付与しないと気が済まない大人に比べて、なんと純粋な「遊び」でしょう。

 

他愛もない、と見逃されそうですが、子どもにとって、遊びは必要であり、世界獲得のための手段です。

そして、それまでできなかったことができるようになった瞬間の喜びは、子どもの自尊心や積極性の形成に重要な役割を果たすでしょう。

 

以後のピーター少年のシリーズは「ピーターのいす」「ピーターのてがみ」「ピーターのめがね」と続きます。

作品ごとに、登場人物が増え、世界が広がり、その中で少しづつピーターが成長するのが見どころです。

いずれ、このブログでも取り上げられたらと思います。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

遊びのやるやる度:☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「ピーターのくちぶえ

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