2017.05.30 Tuesday
【絵本の紹介】「ぐりとぐらのおおそうじ」【131冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今日は5月30日。
「ごみゼロ」の日ということで、お掃除の絵本を選びました。
久々にあの二匹に登場してもらいましょう。
「ぐりとぐらのおおそうじ」です。
文:中川李枝子
絵:山脇百合子
出版社:福音館書店
発行日:2002年2月1日
このブログではこれまでに「ぐりとぐら」「ぐりとぐらのおきゃくさま」を紹介しました。
あれこれ勝手なことを書いてます。
この「ぐりとぐらのおおそうじ」は、初版発行日が2002年と、シリーズの中では比較的新しい作品ですが、もともとは同作者の「おひさまはらっぱ」(1977年初版発行)という童話絵本がありまして、これはいくつかのエピソードに分かれた短編集ですが、その中の一話「ぐりとぐらの大そうじ」を加筆修正し、福音館書店50周年記念出版として刊行されたものなのです。
シリーズには毎回ゲストが登場しますが、今回は「ギック」という、ぐりとぐらワールドでは珍しくカタカナ名のうさぎが出てきます。
しかも、他のゲストキャラがその作品を通して初めてぐりとぐらに出会うのに対して、このギックはもともと二匹の友達という設定になっているところも珍しいです。
実はこの「うさぎのギック」は、前述の「おひさまはらっぱ」に収録されているエピソードのほか、「たからさがし」など、中川さんと山脇さんの他作品にも登場するキャラクターなのですね。
―――朝起きて、カーテンを開けるぐりとぐら。
外はいいお天気で、窓を開けると春のにおい。
でも、うちの中がほこりだらけなことに気づくと、二匹は「きょうの しごとは、おおそうじ」。
マスクやゴーグルを装備し、掃除道具を取り出そうとしますが、ほうきもはたきもぞうきんもボロボロで使い物になりません。
そこで、二匹は奇想天外な掃除方法を思いつきます。
ぐりは穴の開いたセーターなどのぼろきれを体に巻き付け、床の上を滑って雑巾がけ。
ぐらはシャツやタオルを束にして、足にくくり付け、手に持って、ほうきとはたきを担当。
そこへうさぎのギックがやってきて、窓の外から中を覗きます。
ぐりとぐらの姿を見たあわてんぼうのギックは、おばけだと思って逃げ出し、友達を呼んできます。
みんなが来る頃には大掃除は終わっていて、うちの中はすっかりきれいに片付いていました。
ちょうどおやつの時間ということで、みんなは「とくべつ おいしい ぐりと ぐらの にんじんクッキー」を食べます。
★ ★ ★
こんな大掃除なら、楽しいでしょうね。
小学校で、みんなでふざけながらやる大掃除の時間は、ちょっとしたお祭り気分だったのを思い出します。
……ま、実際にぐりとぐら方式で掃除をしても、まずきれいにはならないでしょうけどね。
子どもにどうやってお片付けをさせるか、どこの家庭でも悩みどころだと思います。
そもそも子どもには「片付ける」という感覚がありません。
我が家の息子も、散らかしっぱなしの出しっぱなし。
おもちゃ一つを取り出すのに、おもちゃ箱を全部ひっくり返すし。
妻などは少々潔癖症なところもあり、普段は我慢していても、時には「イーッ」となってます。
大きな箱を用意して、そこにおもちゃをぶち込めるようにし、「一緒にやろう」と遊びの延長のように誘ってみたり、あれこれ試行錯誤してはいますが、本人は半ば意地になって片付けようとしません。
私の結論としましては、「いいんじゃないの、別に」です。
そりゃあ、汚いよりきれいなほうが気持ちはいいし、整理整頓は大切な習慣かもしれませんが、子どもに価値観を強制しないのが我が家の方針ですので、それとなく誘導しても本人がその気にならない以上、諦めるよりないように思います。
第一、自分自身の子どものころを鑑みても、他人のことをどうこう言えるようなもんじゃなかったし。
ただし、自分で片付けできる年齢になったら、子ども部屋の掃除は完全に本人に任せるつもりです。
それで本人が汚さに我慢できるなら、つべこべ言う気はありません。
あくまでも自分から、掃除の大切さに気付いてほしいものです。
……でも、絶対妻が我慢できなくて掃除しちゃうんだろうなあ。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆
参考になる掃除術度:☆
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