【絵本の紹介】「3びきのくま」【130冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は有名な童話「3びきのくま」を紹介します。

文:トルストイ

絵:バスネツォフ

訳:小笠原豊樹

出版社:福音館書店

発行日:1962年5月1日

 

もともとはイギリスの童話ですが、この福音館書店発行の絵本は、かの世界的大作家・トルストイさんが再話されています。

よって、3びきのくまにはそれぞれロシア名が付けられているのが特徴。

 

いちいち長ったらしくて重々しいんですが、それが面白いんですね。

バスネツォフさんの絵も相まって、異国情緒豊かな作品になっています。

くまはなんか目が怖くて、可愛くはない。

でも、どこかユーモラスです。

 

内容の方は今さらですが、再話者によって細部が違うので、ざっと紹介しておきます。

森で道に迷った女の子が、小さな家を見つけます。

この家は3匹のくまの家。

 

おとうさんぐまは「ミハイル・イワノビッチ

おかあさんぐまは「ナスターシャ・ペトローブナ

くまのこは「ミシュートカ

3びきが外出中なのをいいことに、女の子は家に入り、3つのお皿のスープを味見し、3つの椅子に腰かけ、3つのベッドに寝てみて、ちょうどよい大きさのミシュートカのベッドで眠ってしまいます。

やがて3びきが帰ってきて、侵入者の形跡に気が付きます。

最後にミシュートカが自分のベッドを占領している女の子を発見し、騒ぎ立てますが、女の子は窓から飛びだして逃げてしまいます。

 

★      ★      ★

 

誰でも知っているお話ですが、どこか釈然としない結末でもあります。

私は子どものころ、このお話に出てくる女の子が大嫌いでした。

 

勝手に人の家に上がり込み、何の躊躇もなくスープを盗み食らい、無法にも椅子を壊し、図々しくもベッドで眠る。

あまりにも傍若無人なふるまいではありませんか。

3びきの怒りは当然ですし、一番の被害者である子ぐまのショックと嘆きはいかばかりでしょう。

なのに、女の子は少々怖い思いはするものの、あっさりと逃亡に成功し、何の罰も受けません。

 

ということは、本質としてはこれは教訓的なお話ではないと言えます。

 

重要なのは女の子の行動の倫理性ではなく、法則性にあります。

つまり「3」の繰り返しです。

 

幼児向けお話における繰り返しの持つ意味については、「おおきなかぶ」の紹介で触れました。

 

≫絵本の紹介「おおきなかぶ」

 

「3」はグループの最小単位であり、他の様々な昔話や童話にも、たびたびキーワードとして登場します。

この「よくわからないお話」が、時代や国境を越えて読み継がれているのは、典型的な繰り返しの技法を確立しているからでしょう。

 

子どもはパターンを読み取り、結果を予測し、この世界を掴もうとします。

 

ちなみに、ですが。

イギリスでは女の子の名前は「ゴルディロックス」(金髪)。

常に自分に「ちょうどよいもの」を選ぶところから、宇宙における「生命居住可能領域」を指す「ゴルディロックスゾーン」という、中2が喜びそうな用語にもなっています。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

女の子の逃走能力度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「3びきのくま

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