【絵本の紹介】「くっついた」【126冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は久しぶりに0歳から楽しめる赤ちゃん絵本を紹介します。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選を重ね、海外でも注目度の高い現代作家・三浦太郎さんの大ヒット作「くっついた」。

作・絵:三浦太郎

出版社:こぐま社

発行日:2005年8月25日

 

時代とともに、読み聞かせを始める年齢はどんどん下がっていき、今では生後半年以内の読み聞かせも珍しくないことになっています。

そんな時、一体どんな絵本を選べばよいか、悩む両親は多いと思います。

 

「赤ちゃん絵本」には、

・絵が単純で、認識しやすいものであること

・文が音楽的で、リズムがあること

・繰り返しの要素が入っていること

などの条件があります。

 

さらにこれらに加えて、すぐにできる遊びの要素が入っていれば、「本は楽しいもの」という認識を赤ちゃんに与えることができます。

この「くっついた」は上記をすべて満たした作品です。

丸を基調とした可愛らしい絵が、ページをめくるたびに

くっついた

これだけで十分面白い。

構成としては次々に登場する色んなものが、

〇〇と○○が」「くっついた

の繰り返し。

最後はお母さんと赤ちゃんがほっぺを寄せ合って

くっついた

さらにお父さんも

くっついた」。

 

これを読むと、思わず我が子のすべすべの頬に顔を寄せて、スリスリしたくなるでしょう。

それは子どもの側も同じで、「くっつくこと」は、原初的な「幸せ」の感覚だと思えます。

 

何度も繰り返した言葉ですが、絵本を読んでもらうことは、子どもにとっては「自分が無条件に愛されているかどうかの確認」でもあります。

ですから、物語の面白さや絵の美しさを楽しむ前に、根源として、自分を愛し、守ってくれる大人の存在を感じるための媒介として絵本は存在するのです。

 

幼い子が求めているのは「体温と肉声」です。

だから絵本を読んでやる際には、膝の上に抱き、「くっついて」読んであげます。

 

そうすることで幸せを感じるのは子どもばかりではありません。

読み手である大人もまた、現実に脳内に幸せを感じるホルモンが分泌され、自然と愛情が湧くのです。

 

「いないいないばあ」よりも、もっと原始的な最初の「遊び」は、やっぱりこうしたスキンシップだと思います。

 

推奨年齢:0歳〜

読み聞かせ難易度:☆

幸せ度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「くっついた

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧

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