2017.05.18 Thursday
【絵本の紹介】「まよいみち」【124冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今回は安野光雅さんの1974年の作品「まよいみち」を紹介します。
作・絵:安野光雅
出版社:福音館書店
発行日:2002年4月1日(かがくのとも特製版)
安野さんは、美術のみならず文学や数学にも造詣が深く、その知識を生かした独創的・実験的な絵本を多数発表されています。
このブログでは、以前に「かず」を紹介しました。
作家の司馬遼太郎さんや数学者の森毅さんとも交流があり、その作風からはいつも落ち着いた知性が感じられます。
そんな安野さんの「まよいみち」、タイトルどおりの「迷路」についての絵本ですが、いわゆるゲームブックではありません。
「迷い道とは何か」を根本的に考察する科学絵本です。
もちろん、安野さんの素敵な絵で、迷路を楽しむこともできます。
難しさを楽しむというより、一種のアート作品としての迷路といった風ですね。
「枝分かれする木」や「橋のかかった町」を例に挙げながら、「一筆書き」の概念までたどり着きます。
ワクワクするような知的展開。
そして最後はこれ。
「がいこくの ふるいおてらの かべに のこっていた むかしむかしの まよいみちです」
芸術を感じますね。
そして、昔の人々が何を思ってこんな迷い道を描いたのか、それも興味を引かれます。
★ ★ ★
迷路遊びは、数学の得意な子を育てるらしいです。
私も子どものころ、迷路は大好きで、自分でも紙によく迷路を描いて遊んでいました。
数学の成績は惨憺たるものでしたが……。
うちの息子も、最近やっと迷路のルールが理解できたようで、色々な迷路絵本を持ち出してきては遊んでいます。
よく見ると、ちょいちょいズルしてますが。
ま、楽しければ何でもよろしい。
迷路で遊べる絵本はたくさんあり、最近のものは平面だけではなく立体であったり、一方通行などのルールが設けられていたり、複雑さも色んな段階が用意されています。
でも、こういう形の迷路絵本は他に見ませんね。
安野さんの過去作品は手に入りにくいものも多いので、ファンの方はどうぞ。
推奨年齢:4歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆☆
迷路そのものの難易度:☆☆
■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「まよいみち」
■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧」
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