【絵本の紹介】「まよいみち」【124冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回は安野光雅さんの1974年の作品「まよいみち」を紹介します。

作・絵:安野光雅

出版社:福音館書店

発行日:2002年4月1日(かがくのとも特製版)

 

安野さんは、美術のみならず文学や数学にも造詣が深く、その知識を生かした独創的・実験的な絵本を多数発表されています。

このブログでは、以前に「かず」を紹介しました。

≫絵本の紹介「かず」

 

作家の司馬遼太郎さんや数学者の森毅さんとも交流があり、その作風からはいつも落ち着いた知性が感じられます。

そんな安野さんの「まよいみち」、タイトルどおりの「迷路」についての絵本ですが、いわゆるゲームブックではありません。

「迷い道とは何か」を根本的に考察する科学絵本です。

もちろん、安野さんの素敵な絵で、迷路を楽しむこともできます。

難しさを楽しむというより、一種のアート作品としての迷路といった風ですね。

「枝分かれする木」や「橋のかかった町」を例に挙げながら、「一筆書き」の概念までたどり着きます。

ワクワクするような知的展開。

そして最後はこれ。

がいこくの ふるいおてらの かべに のこっていた むかしむかしの まよいみちです

 

芸術を感じますね。

そして、昔の人々が何を思ってこんな迷い道を描いたのか、それも興味を引かれます。

 

★      ★      ★

 

迷路遊びは、数学の得意な子を育てるらしいです。

私も子どものころ、迷路は大好きで、自分でも紙によく迷路を描いて遊んでいました。

数学の成績は惨憺たるものでしたが……。

 

うちの息子も、最近やっと迷路のルールが理解できたようで、色々な迷路絵本を持ち出してきては遊んでいます。

よく見ると、ちょいちょいズルしてますが。

ま、楽しければ何でもよろしい。

 

迷路で遊べる絵本はたくさんあり、最近のものは平面だけではなく立体であったり、一方通行などのルールが設けられていたり、複雑さも色んな段階が用意されています。

でも、こういう形の迷路絵本は他に見ませんね。

安野さんの過去作品は手に入りにくいものも多いので、ファンの方はどうぞ。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

迷路そのものの難易度:☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「まよいみち

■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「100冊分の絵本の紹介記事一覧

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