2017.05.12 Friday
【絵本の紹介】「わたしのワンピース」【120冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
妻が最近欲しいもののひとつはミシンだそうです。
そういえば昔、おばあちゃん家にあったっけ。足で踏むやつ。
何となく、今じゃもう使う人も少ないんじゃないかと勝手に思ってたんですが、まだまだ需要はあるようで、最新モデルも生産されているみたいです。
やっぱり子どもがいると、ちょっとした服の修繕や、短くなった裾の継ぎ足しなんかに便利なんでしょうか。
でも、これも勝手な思い込みですが、女の子にとってはミシンって、ちょっと憧れの道具でもあるんじゃないでしょうか。
ピアノとかと同じで。
そういう対象も、時代とともに変わっていくのかもしれませんけどね。
今回紹介するのは、1969年からずっと変わらない人気を続ける、ミシンが登場するロングセラー「わたしのワンピース」です。
作・絵:西巻茅子
出版社:こぐま社
発行日:1969年12月1日
「まっしろな きれ ふわふわって そらから おちてきた」
「ミシン カタカタ ミシン カタカタ」
うさぎさんはワンピースを作ります。
真っ白なワンピースを着てお花畑を散歩すると、ワンピースが花模様に。
雨が降ってくると、ワンピースが水玉模様に変化します。
そうして、次々とワンピースは柄を変えて行き、小鳥の模様になって空へ飛んでいきます。
眠ると、ワンピースは星模様に。
「ラララン ロロロン わたしの すてきな ワンピース」
★ ★ ★
こぐま社の創立者である佐藤英和さんは、この絵本が出版された当時を振り返り、正直なところ、ここまでのロングセラーになるとは思わなかったと語っています。
実際、大人からは「子どもみたいな絵」「何が言いたいのかわからない」「子どものためにならない」などと、評価は芳しくなかったそうです。
ところが、刊行されてしばらく後、じわじわと部数が伸び続けて行きます。
理由は、「子どもが手に取る」からです。
大人は選ばなくても、本屋や保育園などに「わたしのワンピース」が置いてあると、子どもは読みたがるのです。
子どもは最も率直で最も手ごわい読者です。
読みたくない物には見向きもしない一方、面白そうと感じたら、ちゃんと評価してくれます。
ですから、ロングセラーの絵本というものは、そういう最もシビアな市場を生き抜いてきた価値がある作品と言えるのです。
「子どもみたいな絵」ですが、もちろん西巻さんはわざとそう描いています。
それは「下手に描く」ことではなく、「お絵かきの楽しさを全開にして描く」ということだと思います。
「ラララン ロロロン ランロンロン」など、少ない文の中にも、思わず歌ってしまうような楽しいリズムがあります。
子どもは「楽しそう」「面白そう」なものを、いつでも探し求めているのです。
女の子に大人気の絵本ですが、もちろん男の子にも受けますよ。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆
子どもからの支持度:☆☆☆☆☆
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