【絵本の紹介】「なにをたべてきたの?」【117冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

我が家の息子は食いしん坊。

ほとんど2時間おきに「おなかすいた」を連発。

 

よく食べるのはいいけど、新しいものには意地でも手を出さず、そのたびに母親と衝突しています。

 

子どもが野菜を嫌うのは、まだ味覚が発達していないから、という説明がありますが、むしろ子どもの方が大人より味覚が鋭いという話もあります。

つまり、子どものうちは苦味や酸味など、体に危険なサインを出す食べ物を拒絶していたのが、大人になるにつれ味覚が鈍くなることで食べられるようになるということです。

 

してみれば、むしろ退化することによって食の幅が広がるわけです。

 

しかし、うちの子を見ていると、嫌いな食べ物のほとんどは「食わず嫌い」です。

味覚関係ないやん。

 

そう、食欲には味覚以外の五感も大いに関係します。

嗅覚はもちろん、ひとは視覚でも味わっているのです。

 

今回紹介するのは、食べ物の色彩が非常にきれいなロングセラー「なにをたべてきたの?」です。

文:岸田衿子

絵:長野博一

出版社:佼成出版社

発行日:1978年5月26日

 

お腹を空かせたしろぶたくん。

りんごを見つけて食べると、お腹が鮮やかな赤色に染まります。

続いてレモン、メロン、ぶどうを次々に食べ、そのたびにしろぶたくんの体は大きく(というか長く)なり、お腹にそれぞれの果物の色が浮かびます。

最後には石鹸を見て、

これを たべたら もっと きれいになるかな?

と、呑み込んでしまいます。

もちろん、ひどいことになります。

 

でも、お腹の色が混ざり合い、虹色のシャボン玉になって鼻から抜けていく場面は子どもにも大人気。

 

★      ★      ★

 

文は「かばくん」の岸田衿子さん。

リズミカルで楽しい文章は健在です。

 

自分以外の生命を取り入れる。

食べるということは、考えてみれば不思議な行為です。

 

「大きくなるために」

「丈夫になるために」

食べるのだ、という表現は、子どもにはいまいちピンとこなかったりします。

 

子どもにとって「食べること」は、この絵本のように「色と詩」の世界として認識されているのかもしれません。

 

推奨年齢:2歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

豚の種類に対するこだわり度:☆☆☆☆

 

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