2017.04.27 Thursday
【絵本の紹介】「ペンギンきょうだい れっしゃのたび」【114冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
GW間近ですね。
お出かけ予定の方も多いと思います。
我が家は、息子が生まれてからの3年間、遠方へ足を延ばすことはなくなりましたね。
たまに意を決して出かけてみても、疲れるだけで……。
子どもが生まれる前に、もっともっと旅行しておけばよかったと思います。
というわけで、今回は素敵な旅の絵本を紹介します。
「ペンギンきょうだい れっしゃのたび」です。
作・絵:工藤ノリコ
出版社:ブロンズ新社
発行日:2007年5月25日
はい、また工藤さんのシリーズです。
大好きなもので。
「ペンギンのきょうだい、おねえちゃん、ペンちゃん、ギンちゃん」
の子ども3人だけでの、列車の旅を描きます。
ペンギンきょうだいの年齢はわかりませんが、たぶんおねえちゃんが6歳くらい、ペンちゃん4歳、ギンちゃん2歳くらいかなと思ってます。
おねえちゃんはかなりしっかりしているので、もう少し上かもしれませんが、いずれにしても、子どもだけの旅行というのはドキドキワクワクだし、一方でそれが許される平和な世界観にも癒されます。
お父さんお母さんに見送られて列車に乗った後は、さっそく駅弁タイム。
どうでもいい話で恐縮ですが、私はこの絵本で初めて「フルーツサンドイッチ」なるものを知りました。
列車は綺麗な海の見える駅に到着。
しかし、ここでハプニング。
ペンちゃんが切符を落としてしまった模様。
「だから おりるまで おねえちゃんが もっててあげるって いったのに……」
「ない ない ない、どこにも ない!」
子どもは切符を持ちたがるんですよね。
そして失くす。
水筒の中まで確認するおねえちゃんとペンちゃんの慌てっぷりをよそに、状況をよく理解していないっぽいギンちゃん。
子どもたちそれぞれの行動がリアルで、可愛い。
結局切符は親切なおじさんが拾ってくれてて、事なきを得ます。
駅の外には、おじいちゃんが犬ぞりで迎えに来てくれていました。
★ ★ ★
相変わらず、可愛い&おいしそう&描写が細かい。
特に、隠し要素の多さで言えば、このシリーズは工藤さん作品の中でも一番楽しみが多いんじゃないかと思います。
各場面でのモブたちの行動を追うだけでも、2度、3度と繰り返して楽しめる構成になっています。
切符を拾ってくれるアザラシの紳士、大きな荷物を背負ったくま、お土産を大量に買うペンギン、家族連れ、ペット連れ……。
このシリーズは以降、「ふねのたび」「そらのたび」「バスのたび」と続きますが、その中でいつも同じモブたちが登場し、時には交流があったりして、それぞれのセリフを想像したりするのも楽しい。
そして、到着したおじいちゃんの家で、きょうだいたちの荷物がどうなっているのか、お土産の中身は何だったのか、出発前のページと見比べると色々な発見が。
シリーズを通して読むと、荷物の中身が少しづつ変化してたりして、さらに面白いです。
ああ、旅したいなあ。
来年こそは……?
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆
ペンギンの子どもって言われなきゃ灰色のヒヨコにしか見えない度:☆☆☆☆☆
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