2017.04.25 Tuesday
【絵本の紹介】「うんちしたのはだれよ!」【113冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今回は、ドイツの作家さんによる、科学的で、高尚で、ためになる、「うんち絵本」を紹介しましょう。
その名も「うんちしたのはだれよ!」です。
文:ヴェルナー・ホルツヴァルト
絵:ヴォルフ・エールブルッフ
訳:関口裕昭
出版社:偕成社
発行日:1993年11月
ふざけてませんよ。
もぐらくんは帽子じゃなくてうんちを頭に乗っけてますが、真面目です。
……ま、抵抗ある方もいらっしゃるかもしれませんが。
「うんち絵本」には色んな種類があって、わりと綺麗な印象でまとまっているものもあれば、どストレートな表現のものもあり、これは後者です。
ある日のこと、地面の上に顔を出したもぐらくんに、とんでもない悲劇が(文字通り)降りかかります。
「なんて ひどいことを!」
「だれだ、ぼくの あたまに うんちなんか したやつは?」
というわけで、もぐらくんの犯人捜しが開始されます。
通りかかった動物たちに、
「ねえ きみ、ぼくの あたまに うんち おとさなかった?」
と尋問して回ります。
すると動物たちはそれぞれ、もぐらくんの前でうんちをしてみせます。
自分のうんちの形態が、もぐらくんの頭のものと違うことで、身の潔白を証明するわけです。
この描写がとってもリアル。
なおかつ、喩えが食べ物。
ハトのうんちは「ヨーグルト」、ウマは「おだんご」、ウサギは「まめつぶ」、ヤギは「あめだま」……。
最後にもぐらくんが出会ったのは、二匹のハエ。
なんというか、その、お食事の最中。
うんちのことなら彼らに聞け。
ということで、もぐらくんはハエに犯人を尋ねます。
ハエたちはもぐらくんの頭の上のものを味見することで、犯人をズバリ言い当てます。
果たして「にくやま にくえもん」とは何の動物……?
★ ★ ★
私も息子のおむつを替えますけど、最初はやっぱり抵抗ありました。
赤ちゃんのうんちって、真っ黒で粘ついてて。
でも、慣れてくると、うんちには色んな情報が詰まっていることがわかります。
食べたものがどれくらいで出てくるのか、消化の悪い食べ物は何なのか。
色や硬さに体調の良不良のサインが出ていたり。
さらに、子どもとずっと一緒に生活していると、気配でうんちが出ることを察知できるようになります。
そうすると、うんちが愛おしくさえあります。
……まあ、臭いものは臭いけど。
うんちは、そこまでタブー扱いされるようなものじゃないはずです。
誰だってするし、しないと大変なことになるわけで。
親が子どもの排便に対して嫌悪感を見せたり、ことさらに「汚い」「臭い」と言い過ぎるのはよろしくないでしょう。
おむつに関しても、無理に卒業を急がせると、将来的に異常性癖の原因にさえなる……というのはフロイトの説で、正しいかどうかはわかりませんけど。
それを参考にしてるわけではありませんが、我が家ではトイレトレーニングを急いではいません。
……でも、いい加減トイレでしてほしいのが本音ですけど、ね。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆☆
「にっくきにくえもん」の原文が気になる度:☆☆☆
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