2017.04.13 Thursday
【絵本の紹介】「たいへんなひるね」【107冊目】
こんにちは、 絵本専門店・えほにずむの店主です。
だんだん暖かくなってきて、桜も満開を迎えました。
天気のいい日に、外で昼寝をしたら、さぞ気持ちいいでしょう。
と思いつつ、なかなか実行には移せない私にカツを入れてくれるのが、今回紹介する「たいへんなひるね」です。
作・絵:さとうわきこ
出版社:福音館書店
発行日:1990年5月10日
「こどものとも」や「かがくのとも」に登場する人気者、「ばばばあちゃん」のおはなし。
豪快かつ強引なキャラクターのばばばあちゃんが、様々な活躍を見せるシリーズです。
今回は、カレンダーをめくって、4月になったことに気づいたばばばあちゃんが、
「いつも 4がつになったら、そとで ひるねするんだっけ」
と、ハンモックを持ち出すところから始まります。
ところが、外は雪。
しかし、これで諦めるようなばあさんではありません。
「いつまでも うろうろしてる ふゆなんか、おっぱらってやるよ」
どうするつもりかというと、まずは森や地面を揺るがすほどの大音量でラッパを吹き、動物たちを冬眠から叩き起こします。
それからいっぱいの袋の中に、みんなで大声を詰め込みます。
「はるだよう」
「もう はるだよう」
さらに、空の上のかみなりさんをラッパで呼びつけ、「はなびだま」の中に先ほどの袋を詰め込み、空に向かって打ち上げます。
爆発した花火から、みんなの大声が広がって、雪雲はびっくりして退散してしまいます。
暖かくなって、桜も咲き、ばばばあちゃんはやっとゆっくり昼寝。
みんながワアワア騒ぎながら遊んでも、全然起きないで寝続けます。
★ ★ ★
ばばばあちゃんは一人暮らしで、訪ねてくる家族もなく、近所づきあいもなく、仲間は森の動物だけ。
本当は寂しいんじゃないか、孤独なんじゃないか、と心配になる環境です。
しかし、そんなこっちの心配など吹き飛ばし、むしろ逆に元気を分けてくれるほどエネルギッシュなばばばあちゃん。
昼寝ひとつにここまでやるか、という痛快さ。
周囲を強引に巻き込んで、お尻を叩いて、やるだけやったら、さっさと一人で寝てしまうマイペースさ。
高齢化社会の星のようなおばあちゃんです。
どうかこれからも、このパワーを維持したまま、大暴れして欲しいものだと願います。
実際に近くにいたら、迷惑かもしれないけど。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆
老人のバイタリティ度:☆☆☆☆☆
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