2017.04.05 Wednesday
【絵本の紹介】「かばくん」【103冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
子どもが生まれてから、動物園に行ったのは3回。
けれど、いつ行っても、さほど喜んでいる様子が見えないんですよね。
まだ動物に興味が薄いのか。
絵本や図鑑では面白がって読むんですけどね。
それともこっちの誘導が下手なのか。
でも、考えてみれば、動物園の動物って、たいてい寝てることが多くて、幼い子の興味を引き続けるのはなかなか難しいかもしれません。
男の子は特に「動いているもの」が好きですから、じーっとしてる動物なんか、ちらっと見ておしまい、ということも多い。
そんな中で、ただいるだけでも子どもの気を引けるのは、やっぱり大きい動物。
ゾウやキリンに負けずとも劣らぬ存在感を放つ巨大動物と言えば、カバでしょう。
今回紹介するのは、「かばくん」です。
作:岸田衿子
絵:中谷千代子
出版社:福音館書店
発行日:1966年12月25日
1962年に「こどものとも」で発表されて以来、じわじわと人気を保ち続け、海外でも高い評価を受けているロングセラーです。
特に話の筋というほどのものはなく、動物園のかばくんを、簡潔な文章で描いただけ。
でも、この言葉のリズムや響きが、なんとも心地良いんですね。
これは、黙読ではわかりません。
声に出して読んでみてください。
「おきてくれ かばくん どうぶつえんは もう11じ ねむいなら ねむいと いってくれ つまらないから おきてくれ」
「たべてくれ かばくん あおい きゃべつに とうもろこし きらいなら きらいと いってくれ すきなら はやく たべてくれ」
やたらぐいぐいくる男の子(ペットはかめくん)。
そして、何気ない絵の構図もよく計算されていて、かばくんの大きさや動きが伝わってきます。
動物園に来た子どもたちを
「ちょっと みてこよう」
なんて言うかばくんも、関係がひっくり返ってるみたいで面白い。
やっぱり、カバの最大の魅力は、あの途方もなく大きな口でしょう。
上下にぐわっと口を開いただけで人を感動させます。
どでーんとして、のそーっとして、ぐでーっとしたイメージだけど、実はかなり速く走れたり、ライオンにも負けないくらいの戦闘力を持ってたり、一部では「カバ最強説」なんてのもある、意外性のある動物。
うんちを撒き散らかすのだけは要注意だけど、私も大好きです。
でも、なかなか水から出てきてくれないんですよね。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆
アフリカの人々から恐れられている度:☆☆☆☆☆
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