【絵本の紹介】「かばくん」【103冊目】

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

子どもが生まれてから、動物園に行ったのは3回。

けれど、いつ行っても、さほど喜んでいる様子が見えないんですよね。

 

まだ動物に興味が薄いのか。

絵本や図鑑では面白がって読むんですけどね。

 

それともこっちの誘導が下手なのか。

 

でも、考えてみれば、動物園の動物って、たいてい寝てることが多くて、幼い子の興味を引き続けるのはなかなか難しいかもしれません。

男の子は特に「動いているもの」が好きですから、じーっとしてる動物なんか、ちらっと見ておしまい、ということも多い。

 

そんな中で、ただいるだけでも子どもの気を引けるのは、やっぱり大きい動物。

ゾウやキリンに負けずとも劣らぬ存在感を放つ巨大動物と言えば、カバでしょう。

 

今回紹介するのは、「かばくん」です。

作:岸田衿子

絵:中谷千代子

出版社:福音館書店

発行日:1966年12月25日

 

1962年に「こどものとも」で発表されて以来、じわじわと人気を保ち続け、海外でも高い評価を受けているロングセラーです。

 

特に話の筋というほどのものはなく、動物園のかばくんを、簡潔な文章で描いただけ。

でも、この言葉のリズムや響きが、なんとも心地良いんですね。

これは、黙読ではわかりません。

声に出して読んでみてください。

 

おきてくれ かばくん どうぶつえんは もう11じ ねむいなら ねむいと いってくれ つまらないから おきてくれ

たべてくれ かばくん あおい きゃべつに とうもろこし きらいなら きらいと いってくれ すきなら はやく たべてくれ

やたらぐいぐいくる男の子(ペットはかめくん)。

 

そして、何気ない絵の構図もよく計算されていて、かばくんの大きさや動きが伝わってきます。

 

動物園に来た子どもたちを

ちょっと みてこよう

なんて言うかばくんも、関係がひっくり返ってるみたいで面白い。

やっぱり、カバの最大の魅力は、あの途方もなく大きな口でしょう。

上下にぐわっと口を開いただけで人を感動させます。

 

どでーんとして、のそーっとして、ぐでーっとしたイメージだけど、実はかなり速く走れたり、ライオンにも負けないくらいの戦闘力を持ってたり、一部では「カバ最強説」なんてのもある、意外性のある動物。

 

うんちを撒き散らかすのだけは要注意だけど、私も大好きです。

でも、なかなか水から出てきてくれないんですよね。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆

アフリカの人々から恐れられている度:☆☆☆☆☆

 

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