絵本の紹介「ぼく おかあさんのこと・・・」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介するのは、男の子がいるお母さんにおすすめの一冊「ぼく おかあさんのこと・・・」です。

作・絵:酒井駒子

出版社:文渓堂

発行日:2000年5月

 

「リコちゃんのおうち」で作家デビュー、「よるくま」でその人気を不動のものにした酒井駒子さんの、これは3作目になる作品です。

 

酒井さんの描く動物や子どもの表情はどこか愁いを帯びて、不思議な吸引力を持っています。

もとよりずば抜けた画力の作家さんでしたが、この「ぼく おかあさんのこと・・・」が、彼女の画風の、ひとつの転機となっています。

 

ぼく おかあさんのこと・・・

キライ

 

という、うさぎくんのドキッとするような告白で始まります。

その理由が、なんともいちいちリアルで、現代のお母さんをハッとさせるようなものばかりです。

 

にちようびのあさは いつまでも ねてる。いつまでも いつまでも

ドラマ ばっかり みて マンガ みせてくれないし

すうぐ おこるし・・・

 

ただ、うさぎくんは本心ではお母さんのことが大好きです。

ぼくは おかあさんとしか けっこんしたくないのに

そんなお母さんへの愛情や不満を募らせて、うさぎくんは家出します。

お母さんは寝たふりをしながら、うさぎくんが出て行く音を聞きます。

 

でも、これはうさぎくんの、いじらしいポーズで、すぐにまた戻ってきて、お母さんに、

ぼくと またあえて うれしい?

と問いかけます。

 

嬉しくないわけがない。

 

★      ★      ★

 

うさぎくんが愛おしい。

とにかく絵が上手いんですが、うさぎくんの仕草のひとつひとつを取っても、よく子どもを観察していると感じます。

 

そして、これはむしろお母さん目線の絵本です。

うさぎくんのお母さんは、すごくダメでも立派でもありません。

子どもを愛してはいるけれど、毎日の忙しさに追われて、つい……という、どこにでもいそうなタイプの母親です。

 

それだけに、うさぎくんの言葉は胸に刺さるでしょう。

うさぎくんのお母さんの心情は、文章では書かれません。

でも、息子が出て行ったあと、起き上がってうつむくお母さんの胸の内は、男の子を持つ母親なら、誰もが読み取れるはず。

 

忙しくて余裕がなくなっていると感じた時、ひとりで手に取って、そして「子ども時代」がいかに短いものかを思い出してほしい。

そんな一冊です。

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆

ちゃんと洗濯してもらってよかった度:☆☆☆

 

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