2017.03.17 Friday
絵本の紹介「オリビア」
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
今回紹介する絵本は、「オリビア」です。
作・絵:イアン・ファルコナー
訳:谷川俊太郎
出版社:あすなろ書房
発行日:2001年10月30日
アメリカ生まれの人気シリーズで、日本でも何冊も続編が刊行されています。
これは、その一作目。
モノトーンに赤一色、細いシンプルな線で描かれた木炭画。
それでいて、すごくハイセンスな表紙絵は、映画か舞台のポスターのようです(私は最初、これを絵本だと思いませんでした)。
それもそのはず、作者のファルコナーさんは、雑誌「ニューヨーカー」の表紙絵の他、バレエ団や劇場、オペラハウスなどの舞台装置や衣装デザインを手掛ける、時代の最先端を行くデザイナーさんなのです。
この「オリビア」は彼が初めて作った絵本になります。
主人公はおしゃまな子ブタの女の子・オリビア。
好奇心いっぱい、元気いっぱいな彼女の日常を描きます。
オリビアの家族は両親と弟、それに猫。
オリビアの夢は、舞台で歌って踊る女優になること。
ニューヨーク在住らしく、その生活ぶりは洗練されていて、実に都会的。
家族でビーチに行ったり、美術館でアートを鑑賞したり。
ちなみに、現実の絵画作品がそのまま登場します。
踊り子の絵はエドガー・ドガ、わけのわからない抽象画はジャクソン・ポロックの作品。
「こんなの わたしでも 5ふんで かけるわ」
と、率直な感想。
そして、すぐに試さないと気が済まないオリビア。
落書きさえも、このセンス。
文章は短く、さりげなく、ユーモアとジョークがたっぷり。
全編通してオシャレでありながら嫌味を感じさせないのは、オリビアのキャラクターによるものでしょう。
パワフルで、我が強くて、無反省。
でも、子どもらしい愛嬌に溢れていて、将来が楽しみに思えてしまう。
あえて「現代っぽさ」「ニューヨークっぽさ」を前面に押し出した絵本。
この作品が、20年後、30年後、どんなふうに読まれるのか、興味深いですね。
推奨年齢:3歳〜
読み聞かせ難易度:☆
モダン度:☆☆☆☆☆
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