絵本の紹介「オリビア」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

今回紹介する絵本は、「オリビア」です。

作・絵:イアン・ファルコナー

訳:谷川俊太郎

出版社:あすなろ書房

発行日:2001年10月30日

 

アメリカ生まれの人気シリーズで、日本でも何冊も続編が刊行されています。

これは、その一作目。

 

モノトーンに赤一色、細いシンプルな線で描かれた木炭画。

それでいて、すごくハイセンスな表紙絵は、映画か舞台のポスターのようです(私は最初、これを絵本だと思いませんでした)。

 

それもそのはず、作者のファルコナーさんは、雑誌「ニューヨーカー」の表紙絵の他、バレエ団や劇場、オペラハウスなどの舞台装置や衣装デザインを手掛ける、時代の最先端を行くデザイナーさんなのです。

 

この「オリビア」は彼が初めて作った絵本になります。

 

主人公はおしゃまな子ブタの女の子・オリビア。

好奇心いっぱい、元気いっぱいな彼女の日常を描きます。

オリビアの家族は両親と弟、それに猫。

オリビアの夢は、舞台で歌って踊る女優になること。

 

ニューヨーク在住らしく、その生活ぶりは洗練されていて、実に都会的。

家族でビーチに行ったり、美術館でアートを鑑賞したり。

 

ちなみに、現実の絵画作品がそのまま登場します。

踊り子の絵はエドガー・ドガ、わけのわからない抽象画はジャクソン・ポロックの作品。

 

こんなの わたしでも 5ふんで かけるわ

と、率直な感想。

そして、すぐに試さないと気が済まないオリビア。

落書きさえも、このセンス。

 

文章は短く、さりげなく、ユーモアとジョークがたっぷり。

全編通してオシャレでありながら嫌味を感じさせないのは、オリビアのキャラクターによるものでしょう。

パワフルで、我が強くて、無反省。

でも、子どもらしい愛嬌に溢れていて、将来が楽しみに思えてしまう。

 

あえて「現代っぽさ」「ニューヨークっぽさ」を前面に押し出した絵本。

この作品が、20年後、30年後、どんなふうに読まれるのか、興味深いですね。

 

推奨年齢:3歳〜

読み聞かせ難易度:☆

モダン度:☆☆☆☆☆

 

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