絵本の紹介「あいうえおうさま」

 

こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。

 

「あいうえお絵本」というのは、ある種の定番でもあり、いつの時代も新しいものが次々に出てきます。

人気シリーズなどの企画としてもよく見かけます。

 

ただ、いくら人気のキャラクターが登場しようと、ただ50音を並べただけの「お勉強」では、子どもの気を引くことなどできません。

あくまで「絵本」である以上、読んで面白いものでなければならないのです。

 

その点を、今回紹介する「あいうえおうさま」は見事にクリアしています。

文:寺村輝夫

絵:和歌山静子

出版社:理論社

発行日:1979年

 

言わずと知れた「ぼくはおうさま」シリーズの「あいうえお絵本」です。

小学校の教材として使用されていたこともあります。

たとえば「あ」のページは、

あいうえおうさま あさの あいさつ あくびを あんぐり ああ おはよう

と「あ」のつく言葉がリズムよく並び、伸びをする王さまの背景には、「あめ」「あざらし」「あさがお」など、「あ」のつくものが色々描かれています。

寺村さんが凄いのは、それぞれのページだけで十分ひとつのお話が想像できる点。

なおった びょうきを ないしょに していて なんでも なるべく なまける おうさま

なんて、いかにも王さまらしくて、思わず笑ってしまいます。

 

もちろん、言葉のテンポや響きのセンスは言うまでもなく、同じ言葉にしても、名詞ばかりではなく、動詞、形容詞、副詞などを盛り込んでいるところもさすがです。

おなじみの和歌山さんの絵も、想像力をかきたてます。

文章に登場しない背景の絵ですが、意外と読み解くのが難しいのもあります。

「む」のページの「むちうち」とか。

 

そうしたひとつひとつの絵を読むことも楽しみです。

言葉の勉強などとかしこまらずに、純粋におもしろ絵本として読んであげれば、子どもも喜ぶし、自然と言葉を身に付けると思います。

 

関連記事≫絵本の紹介「ぞうのたまごのたまごやき」

 

推奨年齢:4歳〜

読み聞かせ難易度:☆☆☆

「ら」のページの下の絵が謎すぎる度:☆☆☆☆☆

 

■今回紹介した絵本の購入はこちらからどうぞ→「あいうえおうさま

■えほにずむでは、このブログで紹介した以外にも、たくさんのよい絵本を取り扱っております。ぜひ、HPも併せてご覧ください。

絵本の買取依頼もお待ちしております。

 

〒578−0981

大阪府東大阪市島之内2−12−43

URL:http://ehonizm.com/

E-Mail:book@ehonizm.com

コメント