2019.12.13 Friday
【絵本の紹介】「サンタクロースと小人たち」【353冊目】
こんにちは、絵本専門店・えほにずむの店主です。
北欧の国フィンランドで、34歳の女性首相が就任しましたね。
閣僚の半分以上が女性、平均年齢47歳という、これぞ先進国という布陣。
やっぱり期待感が違いますよね。
日本の閣僚集合写真なんか見ても、狐狸妖怪の集会みたいでフレッシュさというものがないですものね。
フィンランドと言えば教育水準の高さが今や世界トップクラスであることでも有名で、私も大いに興味を持っています。
学費は無料、校風は自由、受験や宿題で生徒を縛るのではなく、主体的に学ぶことを重視する教育。
いちいち頷きたくなることばかりです。
こうやってちゃんと正しい方向で結果を出している国があるんだから、日本も学べばいいのに、ねえ……。
ま、もっともこうした教育で優れた人材がどんどん出てきてしまうと、既存の政府機関や支配階級にいる人々が残らず淘汰されてしまうことは火を見るより明らかですから、熱心になれないのも無理ないかもしれませんけどね。
教育について書き出すと熱くなってしまうので(そして日本の現状に嫌気が差してしまうので)、さっさと絵本紹介に移りましょう。
フィンランドで他にも有名なものと言えばオーロラ、そしてもちろんサンタクロース。
今回はフィンランドのクリスマス絵本「サンタクロースと小人たち」を紹介します。
作・絵:マウリ・クンナス
訳:稲垣晴美
出版社:偕成社
発行日:1982年
この絵本はサンタクロースの普段の生活、仕事ぶりを研究対象的に描いた作品です。
絵も話も非常に細かく、情報量が多いので、じっくりと読むとなかなか時間がかかります。
フィンランドの北外れ「コルバトントリ」山のふもとに、サンタクロースの村があります。
住んでいるのはサンタさんだけではなく、彼の奥さんと、何百人もの小人たちやトナカイ。
小人たちは世界中の子どもたちへプレゼントを用意する技能集団。
会社というのもイメージが違うし、昔の日本の大店とも違う。
村には子どものための学校もあって、将来的にサンタクロースを支えるための勉強をしているのです。
プレゼントを作ったり、地理を学んだり。
おもちゃ、印刷物、人形、楽器……。
プレゼントを作り、保管し、時には夏休みを取ったりしながら、クリスマスに備えます。
世界中の子どもたちの調査、プレゼントの梱包、ただプレゼントを配るという仕事にも、これだけたくさんの人が関わっていることを知ることができます。
いよいよクリスマスイブが来ます。
トナカイとそりという伝統的スタイルは崩しませんが、実は現地までは飛行機に乗っている様子。
小人たちも手分けして、一晩で世界中を回ります。
どう考えても時間が足りないのですが、そこは「クリスマスのまほう」ということらしいです。
ちゃんと行先に日本も含まれています。
全てのプレゼントを配り終えると、サンタさんと小人たちは村に帰り、自分たちのクリスマスを盛大に祝います。
★ ★ ★
サンタクロースの出身地はフィンランドの他にグリーンランド説や北極説もあるようですが、いずれにしましても寒い中大変だろうと思います。
しかしあの寒さがあるからこそ、クリスマスの灯が映えるとも言えます。
都会でのクリスマスも悪くはないですが、あの情緒は雪国特有のものですね。
いやあ、フィンランド、いいですね。
建築、家具、それに音楽も素敵だし、自然は豊かだし、前述した通り教育や福祉面でも高水準だし。
国民幸福度連続1位は伊達じゃない(ちなみに日本は58位で、年々順位を下げております。さもありなん)。
おまけに絵本まで可愛いなんて……。
本気で叶うなら移住して、息子にはフィンランドの義務教育を受けさせてやりたいです。
寒いのは苦手だけど。
推奨年齢:5歳〜
読み聞かせ難易度:☆☆☆☆
ヒゲだらけ度:☆☆☆☆☆
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■これまでに紹介した絵本のまとめはこちら→「300冊分の絵本の紹介記事一覧」
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